はし置き、こまごま

 こまごまとしたものを集めるのが好きです。

 収集癖が多少あるのかもしれません。


 小さい頃はなんといってもおはじきやビーズ、香り玉、それにビー玉。キーホルダー。おもちゃのアクセサリ。光り物は大好きでした。

 この宝物たちはそれぞれ引き出しつきの小物入れに大事にしまって、時折取り出しては見つめて悦に入っていました。


 そんな私ですが、大人になってからは子どもの頃とはまた違ったものを集めています。

 うちわけは多岐に渡るのですが、キッチンまわりのものは特に、つい色々と集めてしまいます。実用性があるかどうかにも後押しされるところが大きいのです。

 実益も兼ねて集めているものの中のひとつに、はし置きがあります。


 はし置き、もちろんお使いの方がいらっしゃるでしょうね。

 食卓にあると、少し華やいだ雰囲気になります。

 小さいながらもおしゃれさんという佇まいで鎮座しているのが可愛くて好きなのです。


 材質はさまざま。木のもの、焼き物、塗り物、ガラスのもの……。

 それぞれで風合いが違っていて、どれも魅力的です。


 形もさまざま。

 花、野菜、縁起物、動物、シンプルなもの、モダンなもの……。

 色んなデザインがあって、それがまた可愛らしいのです。


 季節や気分、それとお客様によっても食卓に出すはし置きは変わります。

 洋風のカトラリーレストも、私の中でははし置きにカテゴライズされます。


 持っているはし置きのことは、どれも気に入っています。

 その中でも特に印象深いものは、(やっぱり)いぬのはし置きです。確か山形の立石寺りっしゃくじに行った時に、近くのお土産屋さんで買ったものだったと思います。立石寺は通称山寺と呼ばれている、「しずかさや岩にしみ入る蝉の声」という松尾芭蕉の俳句が有名な名刹です。その山寺にはあまり関係ないはし置きですが、いぬが可愛かったんですね。

 それと友人にもらった木製のれんこんのはし置きもよく使います。なんとなく愛嬌があって好きなんです。れんこん、縁起物でもありますし、食べてもおいしい。好きなモチーフです。

 亡き祖母に買ってもらった、小樽の北一硝子のはし置きも大事にしています。札幌に住んでいた頃、訪ねてきてくれた祖母と一緒に小樽へ行った際に買ってくれたのです。小樽もコロナ禍で随分打撃を受けたようですが、今どうなっているのやら……。


 はし置きが好きだという話をしたら、ありがたいことに何かと頂く機会が増えました。ご当地ものなんて物珍しくて、頂くと大変嬉しいものですね。

 小さな品物ですから場所も取らず、値段としてもお手ごろなものが多いので、自分で買い求めることもありました。

 そうして気がつくとまあ結構な個数になっていたのです。


 でも、気持ちとしてはまだまだほしい!

 まだ季節物も集めたければ、欲しい柄も形もたくさんあります。

 スペースもそんなにとらないからまだ行けるはず!

 ……蒐集しゅうしゅう欲は際限がないのでした。

 コレクターの気持ちがちょっとわかりました。


 まあ集めるのを急ぐものでもありません。

 これからもゆっくりじわじわと集めていくつもりでいます。

 人生を通して収集できる、数少ないアイテムになるかもしれないなあ、とのんきに考えています。


 近況ノートに画像があります。

https://kakuyomu.jp/users/yuyuki3/news/16818093077085535781

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