芽吹きの春、まるかじり(畑編)

 ここ数日、びっくりするほど暖かくなってきました。

 遅れ気味だった桜も開花の知らせが出て、こんなに暖かいと一気に散ってしまうのではないかと心配になるほどです。

 足止めされていた春が急遽押し寄せてきた、そんな印象のここ数日です。


 さて、芽吹きの春、食欲の春の続きのお話をしていきましょう。

 今回は畑に目を当てます。

 畑にも旬を迎える野菜がたくさんありますね。


 菜の花。

 ほろ苦さがたまらない菜の花は、食べてよし、見て楽しい、春の千両役者だと思います。目にも鮮やかな菜の花の黄色と緑は、新しい季節がやってきた活力のようなものを与えてくれる気がします。

 菜の花のことを読んだ句も昔からたくさんありますから、その親しまれ方が伝わってきますね。

 菜の花の食べ方はと言うと、私はからし和えでいただいたり、パスタに入れていただいたりするのが好きです。お料理に使っても、気持ちの良い緑色ですよね。


 新たまねぎ。

 いつもの茶色のたまねぎと違って、白っぽい表面がいかにもみずみずしく魅力的です。一目見て柔らかそう!と思える野菜ですね。

 この時期は一番生食に向いているのかもしれません。スライスしてサラダやマリネにいれるのも良いですね。

 またたまねぎを丸ごと使ったり大振りにカットしたりして、ポトフや煮物なんかに使ってもおいしいです。柔らかさを全身全霊で味わいたくなります。


 春きゃべつ。

 葉っぱが柔らかくてとてもおいしいのがこの時期のきゃべつ。冬のきゃべつとはまた違った顔を見せてくれます。

 炒めて、生で、煮て、なんでも出来てしまう頼もしい万能選手です。

 ロールキャベツや回鍋肉ホイコーロー、お肉で巻いて食べるのもおいしいですね。コールスローや、たっぷりの千切りきゃべつにしても幸せになれます。

 実家では、よく削り節と炒めたものをお醤油で食べていました。野菜炒めのバリエーションを広げてくれる野菜でもあります。


 アスパラガス。

 畑に生えている時の佇まいがなんだか不思議な野菜です。何かを思い出させるような……。たぶん、チンアナゴかな。

 しかしいざ食べる段階になってしまえば、中華に洋食と大活躍の野菜です。

 わがやでは、パスタや炒め物にすることが多いです。

 以前串揚げ屋さんに行ったときに、丸ごと揚げられたアスパラガスが出てきたことがありました。みずみずしくありながらも衣はサクサク香ばしくてとても美味しかったです。いつか真似して見たいと思っています。


 そら豆。

 別名蚕豆とも言うそうです。とっても大きなさやから顔を出したそら豆は、まるっとしていてころっとしていて、可愛らしく思えます。

 茹でるのも良いのですが、私は焼くのが好きで。昔は春になるとお酒のアテにちょっとつまんだりなどしておりました。

 ご飯に入れてもおいしいですね。

 お手ごろ価格とは言いにくい野菜なので、最近はなかなか食べられていないのですが、春が来ると恋しく思う野菜のひとつです。


 春になると、ご近所の家庭菜園も花壇もどんどん彩りを増していきます。

 活気をましてきた生命力は、畑にも宿るようです。

 畑の幸も分けてもらいながら、素敵でおいしい春を送りたいものですね。


 芽吹きの春はこのあと最後、海編に続きます。

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