本棚のはなし
ぐるりと部屋を見回して。
家具の中で好きなものといったら、やっぱり本棚をあげたくなります。
そこはなにしろ、カクヨムに登録しているくらいですから、筋金入りの本好きなのです。
本好きといえば本棚がつきものでしょう。
本棚には本だけではなくて、私の思い出もたくさん詰まっています。
祖父母、父母が本を読むのが好きだった影響で、実家には本棚がいくつかありました。
祖父母の本棚には、歴史・時代小説が多く入っていました。宮城谷昌光、池波正太郎、藤沢周平などなど……それと何故かサザエさんが揃っていました。最初はサザエさん目的でのぞいていた祖父母の本棚ですが、段々と時代小説にハマっていったのは必然的な流れだったと思います。
他にも直木賞や芥川賞の話題書なんかがあって、今思えば意外と新しいもの好きだったのかな、などと懐かしんだりもします。
父の本棚には幅広いジャンルの本が入っていました。小説と句集が多かったですが、中でも椎名誠と村上春樹、谷川俊太郎が好きだったようで作品が揃っていました。
この本棚からもよく本を拝借して読んだものです。エッセイ好きはこの本棚の影響かもしれません。
母の本棚は……棚というか箱だったのですが、ロマンス系の小説と少女マンガの宝庫でした。
古い少女マンガの面白さはここから知った気がします。王道の恋愛ものの良さを満喫できました。
このマンガたちは私がもらい受けて、今は実家で眠っています。
常に増えていく本たちは、そこまで大きくない実家の本棚からはあふれがち。
それなのに父の本棚と祖父母の本棚ではダブっている本もあり、妙な家だなと自分の家族ながら思っていました。
それでも本に囲まれている生活、手を伸ばせばすぐ本棚の本が読める生活は恵まれたものだったと思います。
なにしろ、読書する楽しみを教えてもらえたわけですから。
大人になり、私も自分の本棚を持ちました。
スライド式の本棚で、棚の高さをビスで調整できるタイプ。あまり高くは見えない木目調だけど、使い勝手がよく便利なものです。
この本棚には当初、私の好きなマンガや小説がぎっしり入っていました。特に食べ物の話が大好きなので、マンガでも本でも食べ物絡みのものが多い本棚。
好きなイラストレーターさんの画集や、趣味のお絵描き用の資料も。
しかし引越しや環境の変化で、どうしても本を手放さなければならなくなってきたのです。
仕方がないこととはいえ、どれももなかなか愛着があり迷ったのですが、結果としてはかなりの冊数を処分しました。
とんでもなく寂しい気持ちになったものです。
さて現在。
私の本棚はというと、本のラインナップを少し変えたものの現役で、すまし顔で我が家の一角に佇んでいます。
何度かの引越しを経て小破したのですが、値段の割に大健闘しています。
あの頃の本棚とはまた表情を変えましたが、私は私の本棚のことが好きです。
これからも大切に使っていこうと思います。
それと、いつか大きな家に住むことがあったら、また本棚と本棚の中身を増やして……という野望も密かに抱いています。これは本好きの性分ではないでしょうか。
みなさんは、どんな本棚と一緒に暮らしたいですか?
その本棚にはどんな本を入れたいですか?
画像はうちの本棚です。
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