第9話 いつものバカ騒ぎ

ー??ー


細身の男「うっ、っ それに体が…おっおい、お前!」


細身の男は、周りを見渡すが、真っ暗の部屋で一つポツンと椅子と机が置いてあり、そこの椅子に後ろ向きで誰かが座っている。


黒服の男「あぁっ、どうやら..捕まっちまったようだな お、お前は誰だ!」


椅子に座っている何者かに向けて話す。


その何者かは男たちに顔を向ける。




??「お前たちしくじったな!」白髪に黒のスーツを纏い、シャツは紫色のシュッとした身なりの男が顔を向ける。



細身の男「!? 正岡様!? 申し訳ございません!」


黒服の男「…いや、待て 正岡様が俺たちの前に顔を出すはずがない! お前は誰だ!?」




正岡「馬鹿者! お前たちは、私が出なければならないような失態をしたと言うことだ! 既にとある私の部屋に移動済みだ!」



黒服の男「申し訳ございません!」と土下座をする。


正岡「お前たち、この失態をどう取る?」


細身の男「失態とは...どう言ったことでしょうか..」声を震わせながらそう言った。


正岡「今までの輸入業者からリークがあり、とある麻薬グループに麻薬を取られたのだ!今回の取引額10億円もの麻薬をな!それに内部情報が漏れたのだ!

お前たちの監督が行き届いてない せいでな!」



細身の男「ひぃひぃ 申し訳ございません!」


正岡「で、どうするんだ! 業者を変えるには莫大な費用がかかる お前らをどうするのかわかっているだろうな?えっっ?」


黒服の男「..せ、せ、僭越ながら、今まで使っていたA&C株式会社内でリークした愚か者を見つけ出し、その麻薬グループを撲滅するのはどうでしょう?」




正岡「その言葉が欲しかった」急に声のトーンが変わる。




細身の男「正岡様?なにを言っていらs」と、男は首元に刺さっている麻酔針で眠りにつく。起きる前に撃っておいて良いタイミングだったな。



黒服の男「おい、お前正岡じゃn ぐはっ っ..」男の口から泡が噴き出る。



水希「ごめんね、こうしなきゃ警察に引き渡せないから…」そう言って、黒服の男を床に寝かせる。



瀬奈「もう、部屋を切り替えていい?」というと、機械を操作して、あの産業支援課の風景に戻る。



薫「すごいのな、その機械 全くこの場所とは思わなかった」



瀬奈「そうなのです! ..ただ、これを作るために結構お金が飛んじゃったけどね...」と言って、水希と純を見る。


 急に水希と純が震え出す。

 そんなにお金を投資したのか…


薫「はは」愛想笑いをした。


瀬奈「そんな過ぎたことは置いといて、この人たちを警察に引き渡した後、県警のパソコンに送ればいいのよね?」


薫「あぁ、A&Cが麻薬ルートだと言うことを県警の全職員に送れば、さすがの正岡の影響力でも動かざるを得ないからね..」


水希「ただ、これって正岡を挑発していることになるのよね..」


薫「…」


純「まぁ、仕方がないだろ これ以外の方法で千花さんを救う方法はないだろうから」


瀬奈「それにあの二人にも顔がバレていないしね 良かったんじゃない?薫の作戦」


水希「まぁ、新人にしては及第点ってとこかしら みんなの得意をしっかりと掴んだ作戦かな」


瀬奈「あれ〜、及第点とか言っておきながらべた褒めしてません?」


水希「うっ、うるさい!!」


純「なんだかんだで、良いチームワークだったな そんな俺たちは…」



おい、ここでやるのかよ!


みんな笑いながら、ポーズの用意をする。


4人「K・T・D」


俺たちは、誰に見られているわけでもないが、にこやかにポーズをした。

みんなの物理的な距離も心の距離も近寄ったそんな4人組のチームになれた気がする。






..



昨日のニュースをお知らせします。

県庁において麻薬の売人の取引があるという通報を受けた県警は、2人の身柄を確保し、緊急逮捕しました。

そして、逮捕をした直後 県警のパソコンには、輸入業者であるA&C株式会社が麻薬ルートに使われていたことを告白したような逮捕した売人2人らの音声をもとにA&Cへ令状を発布し、捜査に踏み込むものと思われます。

この事件の最新情報が届きましたら、お伝えします。次のニュースです。


次のニュースに変わったのでテレビを消す。



瀬奈「はぁ〜良かったねぇー 私たちの計画通りに進んで」


水希「そうね これで千花さんが無事に仕事を出来ればいいんだけどね..」

と話しているとノックが聞こえる。


薫「誰か依頼か?」



瀬奈「まさか...そんなはずないよ 月1回の法則が外れることはないからね 当分の間来ないと思うけど..」


純は、その言葉を聞き、うなだれる。

後で聞いた話だが、純は広報担当らしい。




薫「じゃあ、誰が?   はい、どうぞ」と返事をすると中へ入ってくる。


千花「  薫先輩…と他の方、この度はありがとうございます!」千花は、軽めのシャツを羽織り、涼しげなスカートで俺がドストライクな清楚な服装で頭をペコリと下げる。


薫「千花、今は、仕事の時間じゃないのか?」


他の方?と水希と瀬奈が睨んでこちらを見てくる。

おい、俺が言ったんじゃねぇぞ!



千花「今日は、休暇をとっているんです! 薫先輩だったら絶対成功するって思ってたから!」そう言って、俺に抱きついてくる。


薫「おっおい、千花っ」ほのかに柑橘系の匂いが鼻口をくすぐる。

この匂い好きなんだよな。

そんな鼻の下を不可抗力で伸ばしたのを見てか鬼の形相の2人がこっちに近づいてくる。



瀬奈「ねぇ、千花さん?その鼻の下を伸ばしている変態から離れた方がいいんじゃないかしら?」

水希「そうそう、普段は意見が合わないけど、その意見には賛同するね ねぇ千花さん あっちで3人で話さない?」


その言葉を聞いてか、千花が俺のシャツをぐしゃっと握り、上目遣いで俺の顔を見る。





千花「ありがとう、ほんとに... 私怖くて..このことを話したら殺すって脅されて、誰にも相談できなくて..ずっと1人で..あ..ありがとう…うっ…っ..つ」俺の胸に顔を埋めて泣き出してしまった。


俺は、その頭に手を覆い、抱きしめることしかできなかった。


瀬奈と水希は何も言わずにソファーに腰をかける。





少しの時間が流れる。



誰も声を発しない。



ただ、彼女のすすり泣く声が響いた。




..



千花「..ご、ごめんなさい 急にこんなことをして…」自分のした行動に改めて気付いてパッと俺から離れる。


薫「全然、そんなことない 俺じゃない..感謝するべきは千花のお母さんにいうべきだ」


千花「お母さん?」驚いたようにこちらを見る。


瀬奈「今回の事件はあなたのお母様が私たちに依頼したことで事件解決ができた だから、わたしたちではなく…」


千花「そ、そうなんだ…」


水希「あなたは、1人じゃなかった 

   ずっと力になっていた人がいた 

   ずっと一緒に悩んでくれた人がいた 

   ずっと見守ってくれた人がいた」


千花「…わ、わたし 今から、お母さんに会いに行かなきゃ!」

   そう言って、扉から飛び出して出ていった。


水希「…羨ましい.. それに早く気づけて..」

  彼女は、どこか遠くの誰かを見ているようなそんな切ない表情をしていた。

薫「水希..」




瀬奈「あっ!?そうだった!千花さんに聞くの忘れた!」


薫「どうしたんだ?」


瀬奈「前に言ってたじゃん!薫がラブレターもらったって!」


薫「あぁ、その話か..多分、千花ではないよ」


瀬奈「えっ?なんで?」


薫「あいつは、ラブレターなんかするタイプじゃない 根は明るい奴だからな 告白するなら直接言ってくるタイプだ」


瀬奈「なるほど、じゃあ、誰なんだろう..」


水希「……ま、sそんなことどうだっていいじゃん それより薫の正式入隊を祝わない?」


純「それいいな! じゃあ、それぞれ買い物して集まって夜まで騒ぐか!」


そう言って、俺たちはお酒・おつまみをたくさん買い、夜までどんちゃん騒ぎをしながら、夜が過ぎていった。


あの頃のように馬鹿話をしながら。








..









俺は、熱くなった顔を冷ますためバルコニーに出る。


この感じ懐かしいな。


ガラッ ドアが開く音が聞こえたので見ると


瀬奈「2人とも寝ちゃった〜」顔が赤くなり酔っ払ってメガネを外した瀬奈がそう言った。


薫「あの二人は、いつも同時に寝るからな...それも予兆なく」


瀬奈「そうそう〜 頭をくっつけながら寝てるよ〜」


薫「瀬奈も眠そうだけど?」


瀬奈「わ、私?全然まだまだいけるよ〜」と言いつつ、千鳥足になる。


俺は、危ないので倒れかけた瀬奈の背中を抱く。


薫「これがそう見えるか? ソファーに連れてくぞ」


瀬奈「な、なんでぇ〜 一緒にいようよ〜」完全に酔っぱらってるな..


薫「今、一緒にいるが?」



瀬奈「そうじゃなくてさ、もっとこっちに近寄ってよ〜」



俺も酔っているのか、


それに従って、顔を瀬奈に近づける。


相変わらず、まつ毛長いし..目もでかいな。



やばい、なんか 変な気分になりそうだ… 

瀬奈のとろ〜んとした目元とふくっらとしたピンクの唇を見ながらそう思ってしまった。



瀬奈「あぁっ、変なこと考えてる〜、いけないんだ〜そんなこと考えちゃ でも、薫ならいいよ」

そう頬を染めながら俺に体を預けながらそう言った。



俺は、思考が止まっていた。







生物の本能なのか..






俺は、自分の唇を瀬奈の唇に近づける..






瀬奈の温かい吐息が俺の顔に当たる。





彼女は、ゆっくりと目を閉じる..






俺は、彼女の唇を見ながら、ゆっくりと近づけて目を閉じる。














「どかっ」



そんな音と同時に俺のおでこに電撃が走り、目が覚める。




水希「こらー、何してるんじゃ!!」手には、雑誌を丸めて持っていた。

これでおでこを殴られたのか。




あれ?俺今何をしようと..




水希「この抜け駆け女!とうとう本性表したそうね!こういう清楚ぶっているやつが一番危ないんだからね 気をつけな薫!」



瀬奈「どうしたの〜、薫いいじゃんしようよ〜」まだ、酔っているのだろう。


水希「だめだよ!理性取り戻しなよ!こんな魔性の女に騙されないでね」


瀬奈「ひどいなぁ〜、私は薫のことがすk..」と何かを言いかけて俺の腕の中で眠る。


水希「はぁはぁ、この女は隙がないな ったくぅ」





薫「…」俺は、水希の顔を見る。



水希「何?あんた 女ならなんでもいいタイプ? それなら、幻滅するけど…」



薫「...高校の頃のラブレターお前だろ?」



水希「はぁつ?そんなはずないじゃん!」



薫「あれは...水希の字だった..」あれ、目がとろーんとしてきた。やばい、眠い。



水希「...気付いてたの?」



薫「あぁ..」もうだめかもしれねぇ、眠い。



水希「…」





薫「だから、水希に告白される..と思って..俺は…屋..上に行っ..たのに..」

俺は、眠くなり、ゆっくりとバルコニーの床に寝転がる。




水希「えっ?そうなの?期待してたってこと?」嬉しそうに頬に手をやり薫の顔を見る。



薫「… 」俺は、目を閉じて寝ている。



水希「えっ、ちょっと、起きてよ! ねぇ、告白に応じようとしてたの?ね

ぇ!」いくら大きな声を上げても起きない。




水希「えぇーどっちーーーーーーーーーー」





水希は、疲れ切ってしまい、薫の横に寝転がる。




そして、純はその3人をソファーに寝かせ、純もソファーに寝転がった。




純「みんな、おやすみ」






4人でソファーに寝転びながら、4人は眠りについた

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死ぬ前に会いたかったお前らとバカ騒ぎ あけち @aketi4869

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