第33話 mRNA型生物製剤の追加接種が免疫抑制を誘導している作用機序とその影響

mRNAワクチンの特性(作用機序、成分ごとの効果と有害性、等)が十分検証されないまま世界的に接種が推進された。

ワクチンの有害事象について各国で研究されている内容を解説する医師や学者のコメントの一部を紹介する。


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mRNA型生物製剤の追加接種が免疫抑制を誘導している作用機序とその影響(mRNAワクチンをmRNA型生物製剤と呼ぶ)

人体は何度も同じ抗原刺激にさらされると産生される抗体の種類が変化する。最初に誘導される抗体は炎症誘導性の抗体だが、同じ抗原にさらされると炎症を誘導しない種類の抗体に変化していく。IgG4は抗原接種を繰り返した後に誘導される非炎症誘導性抗体だ。抗体の機能は二つに分けらる。


抗体には抗原に結合する機能と、免疫システムを活性化する機能の二つの機能が存在する。IgG4は、IgG1とかIgG3のように免疫システムを総動員して病原体と戦うことはできない。要は抗原に結合するだけ。


最近、mRNA型生物製剤の接種によりIgG4が誘導されるという現象に注目が集まっている。IgG抗体が非炎症性抗体に変化するとなにがおきるかを考察する。最初に抗体分子の構造を紹介する。ポイントは抗原結合部位が二つあるということ。


抗体は4つのペプチド(4本のタンパク質)が結合した巨大分子。基本的にはYの字の形をしており、Yの字の先端部分には抗原結合部位があるが、抗原結合部位が二つあることが重要。


抗体が結合する抗原の一部をエピトープと呼ぶ。mRNA型生物製剤で誘導された抗体はスパイクの様々な場所に結合するものがあり、かつ抗体には抗原結合部位が二カ所あるため抗原に抗体が次々に結合し抗原抗体複合体は巨大化する可能性がある。


抗原抗体複合体の形成反応では抗原と抗体の比率によって、どのくらい大きな複合体ができるかが決まる。抗原抗体複合体は血液中から速やかに除かれないと、さまざまな問題を引き起こす。抗原抗体複合体の大きさがそれほど大きくなくても微細な毛細血管を目詰まりさせたりする。

複合体が巨大になると太い血管につまることになり、脳梗塞や心筋梗塞を招く。


抗体のクラスはIgMからIgDまでの5種類に分けられる。ウイルス感染に関連する抗体はIgM、IgGそしてIgA。IgMとIgGは血液中に存在するが、IgAは粘膜に多く含まれるため粘膜型抗体と呼ばれる。IgA抗体は呼吸器系のウイルス感染症の最前線である、のど粘膜に存在しており感染を防ぐことが可能。


一度ウイルスに感染するとIgA抗体が誘導されるが、IgA抗体は一般的に特異性が低いためウイルスが変異しても影響は受けにくいと考えられる。IgA抗体があれば感染を防御できるが、今回のmRNA型生物製剤で誘導される抗体はIgG中心でIgAはほとんど誘導されないため基本的には感染予防効果はない。


IgGはさらに4つのサブクラスに分かれる。話題のIgG4はIgGのサブクラスの一つ。中和活性は、スパイクタンパク質に結合してウイルスが細胞内に侵入できないようにする機能。


IgG4もIgG1同様に中和活性を有しているが、mRNA型接種で誘導された抗体は武漢型スパイクタンパク質に対する抗体なので、変異型に対する中和活性はほぼ失われている。


IgG4に中和活性がないわけではなく、高い免疫回避能力をもつ変異型は中和できないのだ。

問題は最新の変異型に対する中和抗体ができにくい、できないこと。これが抗原原罪のトラップだ。


二番目はオプソニン化できるかどうか。オプソニン化とは細菌やウイルスが抗体で囲まれたときにマクロファージなどの貪食能力をもつ免疫系の細胞によって貪食されやすくなるかどうかを示していまる。


IgG1とIgG3が結合した細菌やウイルスは貪食されやすくなるため、ウイルスの除去が可能。 抗体の中和活性が失われてもIgG1抗体やIgG3抗体が結合すれば抗体が結合したウイルスは除去されることになる。


この活性がIgG4にはないため、IgG4が結合したウイルスは貪食されにくく血液中からなかなか除去されない。この機能は感染防御上重要で抗体がIgG4化される最大のデメリットと言える。


三番目はsensitization for killing by NK cells。これはNK細胞を活性化して、抗体が結合した細胞を殺傷する作用だ。この機能はがん細胞を殺傷する際に特に重要な機能。がん細胞の細胞表面にがん抗原が出現し、それに抗体が結合するとNK細胞は抗体が結合した細胞を攻撃することができる。


この機能がIgG4では欠落しているので、抗体がIgG4に変化するとこの反応がおきなくなる。2回目以降の接種では既にスパイクタンパク質に対するIgGができているので、mRNAが導入された細胞ではスパイクが細胞表面に林立し、そこに抗体が結合すると、その細胞をNK細胞が攻撃するが、IgG4ではこの反応がおきなくなる。


接種を繰り返していくと接種直後の発熱がおきにくくなるのはIgG1抗体がIgG4抗体に変化したためこの様な攻撃反応がおきなくなったためだろう。


四番目はマスト細胞(肥満細胞)の活性化だ。この機能はアレルギー反応を誘導するIgEに限定されている。

肥満細胞の細胞表面には、IgEに対する高親和性受容体(FcεRI)が発現しており肥満細胞にIgEが結合した状態の時に、IgEが認識する抗原がやってくるとIgEは架橋され細胞内の顆粒が放出される。

肥満細胞の顆粒内には、ヒスタミンなどのアレルギー反応を誘導する物質が含まれている。


最後の機能は、補体(complement)の活性化。通常は自己の細胞には抗体は結合せず体内に侵入してきた細菌に抗体が結合するケースがほとんど。細菌に抗体が結合すると抗体によって補体が活性化されて補体は細菌に穴を開けて細菌を殺そうとする。同様の反応は癌細胞でもおきる。


この機能はIgG3が一番強く、次がIgG1で、IgG4にはこの活性はない。IgG1抗体やIgG3抗体は中和活性以外にもウイルスを排除する機能を持っている。


次にmRNA型生物製剤を接種するとIgG4が誘導されるという論文を簡潔に説明。

mRNAワクチン二回接種後210日後にIgG4が誘導され、追加接種でさらに促進されることが示されている。またIgG1よりも抗原への親和性が高いIgG3は追加接種を繰り返すとなくなる。ウイルスを撃退する抗体が減少しIgG4が増加する。


単に免疫を繰り返してもIgG4の誘導がおきるわけではないということも書かれているので免疫に用いる方法が重要。既存ワクチンで使用している作用がマイルドなアジュバントではこのような現象は見られず、この現象はmRNA型特異的だ。


補体(ほたい、英: complement)とは、生体が病原体を排除する際に抗体および貪食細胞を補助する免疫系(補体系)を構成するタンパク質のこと。補体は抗体により活性化されるが、補体を活性化できるのはIgG1とIgG3でありIgG4は補体を活性化する能力を持たない 。


ADCPは補体が関与しておきる貪食反応。抗原に抗体が結合すると補体が活性化されて抗原抗体複合体が貪食される反応。論文中でもIgG4では、抗体依存性細胞貪食作用(ADCP)、抗体依存的細胞傷害(ADCC)および抗体依存的補体沈着(ADCD)が低下と記述している。


補体を活性化できなくなると血液中に生じた抗原抗体複合体を除けなくなる。

これは接種リスクを大幅に高めることになる。

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誠実な学者の解説を読むと、年一回の接種を推進する政府・厚労省の大臣・官僚が、国民の命・健康を害する医療行政を実行していることが明確になる。

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