「そもそもの原因はな、お前だからな。てめぇがあの時『グアム』に行きたいって言ったからこうなったんだ。じゃなきゃ今頃はのんびりバカンスを楽しんでたし、こうはならなかったんだよ！」

「酷い！　人のせいにするなんて最低だよ！？」

「ケッ、最低もクソもあるか。だったら今ここで警察でも呼ぶか？　だったらついでにレスキュー隊も呼んで来てくれ。そしたら今のは全部、取り消してやるよ」

　テルキの何気ない言葉にジュンはブチギレると殴りにかかった。

「この最低野郎ーーッ！！」

その瞬間ジュンの怒りの拳が彼の顔面にめがけてヒットした。そしてその次の瞬間、今度はテルキがジュンの顔にめがけて左ストレートの拳を顔面に浴びせた。

　二人はお互に募った不満を一気にぶつけ合うと激しく殴りあった。そして、罵り合いながら揉みくちゃになって喧嘩した。

　二人だけしかいない無人島に恋人同士の激しい痴話喧嘩が飛び交った。あまりのその見苦しさはさざなみの音さえ美しく感じさせた――。

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