馬好きの天職! 平安騎馬隊は京都の祭りの花形です!

 京都三大祭りの時代行列を馬に乗って先導をするのが、京都府警察平安騎馬隊のお仕事だ。警察学校を卒業し騎馬隊に配属された新米警官・馬越ふみ巡査に割り当てられたのは、同じく新米馬の丹波号。その日から一人と一頭の新米コンビの生活が始まった。

 主人公の馬越ふみは、無類の馬好き。馬と触れ合えるという動機で志願した平安騎馬隊で待っていたのは、毎日が訓練の日々だった。

 足が筋肉痛になっても、尻の皮が腫れても、休む暇なく馬の世話をして、馬房のボロ(うんち)を清掃する。女性にとっては肉体的にも精神的にも大変な仕事だが馬好きのふみにとっては、どんな苦労も喜びに変わってしまう変わり者なキャラが可笑しい。

 平安騎馬隊には警察官だけでなく、獣医、厩務員、装蹄師、多くの人々が携わっている。頼れる先輩たちから学びつつ、絆を深めていくふみと丹波号の成長ぶりが愛おしい。

 先導役は祭りの花形。先導役に与えられる検非違使の装束に憧れ、いつか自分もと夢をみて頑張るふみの姿に胸が熱くなります。

(「馬のいる日常」4選/文=愛咲 優詩)