第3話 その夜
父はお菓子も買って来てくれていた。それまで、〇〇県にいたそうだから、その土地の箱菓子を買って来てくれていた。和菓子はあまり好きじゃなかったけど、久しぶりに甘いものを食べたから美味しかった。
「夕飯作るね」
私はそう言って、畑に野菜を取りに行った。できるだけ色々作ってあげたくて、ナスの他にキュウリやトマトも収穫した。
それで、ナスを炒めて醤油と味の素で味付けして、キュウリに味噌をつけて、トマトはそのままサラダにした。主食はパンの耳だ。お父さんは「うまそうだな」と言って喜んでくれた。
お父さんは優しかった。一緒にお風呂に入って髪や体を洗ってくれた。
「胸がちょっと出て来たな」
「うん」
私は恥ずかしかった。お父さんは毛深くて、胸毛が生えていたし、股間には、黒い毛がモサモサ生えていて、赤黒いものがぶら下がっていた。男の人の裸を目の前で見るのは初めてだった。すごく緊張した。
「生理来たか?」
「うん」
「もう女なんだな」
私は父から女として見られていることに恐怖を感じた。まるで、庭に繋がれた雌犬が、雄犬に襲い掛かられているようだった。
「チューしたことあるか」
「ない」
父は私の唇にキスをした。父の口はタバコ臭かった。そして、髭がジョリジョリしていた。そして、胸にも触って来た。私は固まったまま動けなかった。その時、私はどう感じたかは忘れたが、ただ、気持ち悪くて、怖かったというだけだった。
私は父に言われるまま、体を拭いて、裸のまま布団に入った。あとは父のなすがままだった。
父は私に何度も「好きだよ」「かわいい」「これからはずっと一緒にいるからね」と繰り返した。
私は寝れずにいたけど、そのうち眠ってしまった。朝になるとお父さんはいなくなっていて、布団には少し血が付いていた。
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