走り幅跳び

「放課後、陸上部に入りたい子おる~?」

って先生はみんなの前で言っていた。

だから、わたしは

「は~い!やりたいです~!」

って言って手をあげた。


「じゃあ、さっそく体操服に着替えて、今から運動場に集合~!」

って言われた。速攻でチャチャッと体操服に着替えて、運動場に行ってみた。


すでにもう、何人も集まっていた。


「あっ!ミクっちも来たかっ!」

「はいっ!来ましたーっ!」


わたしは走るの速いから、きっと、同じく走るの速いみんなと、リレーでもやるんやろな~って思っていた。そしたら

「ミクっちは、走り幅跳びなっ!」

って陸上部の先生に言われた。


「えーっ?走り幅跳びなん?」

って思った。

「えーっ?なんでなん?なんでリレーとちゃうの~?」

って思ってたら、陸上部の先生は

「あそこの砂場で、ミクっちは今日から走り幅跳びやっ!」

って、めっちゃ嬉しそうに言っている。


「走り幅跳び好きなんは先生なんちゃうの?」

って思いながらも、ひとりで砂場に向かった。

「先生、走り幅跳びめっちゃ好きそうやんっ!」

って思った。

「なんで、そんなに嬉しそうなんっ?」

って思った。


そして、とりあえず、砂場に向かって、ひとりで走って、ピョーンって飛んでみた。

ひとりでやってて、ちょっと恥ずかしかった。だけど、なんか、めっちゃ面白い気もしてきた!

グランドでキャアキャア言いながら、みんなで走ってる子たちを横目に見ながら、わたしは、また、ひとりで砂場に向かって走って

「えーいっ!」

って飛んでみた。

もともと砂場とか好きだから、なんだか飛んでて面白くなってきた。


そういえば、幼稚園の頃も、砂場好きで、お城をつくったり、ピョーンて飛んだりしていたな~って想いだした。


何回か飛んで、距離をメジャーで、ひとりで測ってみた。

3メートル55くらいやった。

まだまだなんかな?どれくらい飛ぶもんなのか、ようわからんけども...って思った。


何回か飛んでみて、陸上部の先生のところに行って

「最高で4メートル05くらい飛べました~っ!」

って報告した。

「オオーッ!初日にしては、まずまずやないのーっ!」

って喜んでいる。

「ミクっちは、とりあえず5メートルを目指して...」

「5メートルですか?」

「そうや!5メートル!ミクっちなら軽く飛べるはずや!」

先生、めっちゃ走り幅跳び、好きそうなんやから~。


「ミクっち見てたら、なんか、軽~く飛べそうな気するわっ!」

「なんでですか~?」

「う~ん、なんでやろな~?なんか、軽そうやからかなっ?」

なんやそれ?

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