しおりちゃん、イセちゃん

幼稚園の時に、いつも

「ミクちゃんのおよめさんになるーっ」

って言ってくれてた、しおりちゃん。

マッチャマから遊びに来てくれた。


「ミクちゃん、会いに来たよ~ん」

「きゃあああ、しおりちゃん~」


しおりちゃんは、わたしにギュッと抱きついてチュッてしてくれた。


「あれ?このお部屋...」

「えっ?」

「ミクちゃんのお部屋...あそこに女の子いるね...」

しおりちゃんは部屋の左すみっこを指さした。

わたしも、しおりちゃんの指さすほうを見てみた。


うわあああ!着物を着た可愛い女の子!


「あの女の子も、小4くらいかなあ?」

って、しおりちゃん。

「そうかなあ?」


「こんにちは~」

その女の子は言った。

「こんにちは~!ミクちゃん、しおりちゃん」


「あっ、こんにちは~」

「こんにちは~」


「ミクちゃん、しおりちゃんに会うの2000年くらい待ってたよ~」

「えーっ?そんなに~」

「そんなに待ってたの~?」


「うちは伊勢」

「イセちゃん?」

「いせちゃん?」


「2000年前に歌を詠んでいたの。ミクちゃんと、しおりちゃんと...」

「えーっ?お歌を~?」

「そんな前に~?」


「そうよっ!覚えてないの?」

「覚えてないよっ」

「そんな昔のこと...」


「3人で、2000年前の時代に歌を詠んで競いあっていたのよっ」

「3人組のアイドルみたいに?」

「3人で歌って踊ってたの?」

「そうよっ!3人とも、めっちゃ人気あったのよっ!」


「ファンもいっぱいいたの?」

「いっぱい推してくれてたの?」

「そうよっ!」


「今日はそれで何の用?」

「今日は何するの?」

「何でもないわよっ!何もしないわよっ!」


「な~んだ!」

「つまんないのっ!」

「相変わらずねっ!あなたたちは!...2000年ぶりくらいに会いたかっただけよっ!」


「こんばんは~」

って妹のミコ、部屋に入ってきた。


「あっ、妹のミコです」

って紹介した。


「あらっ!これは、ミコ様...」

「こんばんは~、おひさしぶりです~、イセ姫さま...」

「こんばんは~、ミコ様...」

「イセ姫さま、おかわりなく...」

「ヒミコ様...いえ、ミコ様も、おかわりなくいらっしゃって...」


「イセちゃんと、ミッキャンって、知り合いだったの~?」

わたしは2人に聞いてみた。


「イセちゃんのお歌、大好き~」

って、ミッキャンは言っている。


「ヒミコ様...いえ、ミコちゃまには、むかしから、とてもお世話になってまして...」

って、イセちゃんも言っている。


「あっ!そうだっ!イセちゃん、また、お歌、詠んで~!」

って、ミッキャンはイセちゃんに言った。


「えっ?あ、はい...それでは...」

って言って、イセちゃんは、めっちゃ良き声で、歌を詠みはじめた...

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