空里ちゃん

家に空里ちゃん、遊びに来た。

「うわ~!ミクちゃん、ひさしぶり~」

「あっ!空里ちゃん!」


「あやめっちも、ひさしぶり~」

「ほんまやわ!」


「ナオミンも、ひさしぶり~」

「空里ちゃん、こんにちは~」


「空里、今、何してんの?」

「オッキナワン島で、アートの製作と教育をやってる!」

「あっ!そうなんや!ちゃんとやってるんやな!」

「うんっ!なんとなく、今日はミクちゃんと会いたくなってな」


それから、わたしの部屋で、空里ちゃんといっしょに過ごしていた。

「ミクちゃん、今、何年生やったっけ?」

「4年生だよ~」

「4年生ってことは...9才か...」

「そうだよ~9才だよ~」


「いや~、オッキナワン島にいてもなっ、なんとなく、この家の、この部屋のこと、気になってな...」

「えーっ?オッキナワン島にいるのに~?」

「そうやねん」

「なんで?」

「えっ?」

「なんでなん?」


「そやな~、なんか、アートっぽい雰囲気を感じるからなんやろか...」

「アートっぽい雰囲気を感じるの?」

「うん」

「ミクの部屋に?」

「そうやねん...」

「へぇー!そうなんや」


「今日、ミクちゃんの部屋で、いっしょに寝てもいい?」

「いいよ~!」


夜、空里ちゃんといっしょに寝てた。

おふとんを並べて。

なんとなく、わたし、空里ちゃんのこと好き。


「あっ!何か感じるよっ!」

って、空里ちゃんは声を出した。


「えーっ?何か感じるのーっ?」

わたしは、なんとなく、いつもと同じような感じしかしなかった。


空里ちゃんは

「めっちゃあたたかい空気!」

って言っている。


「めっちゃあたたかい空気?」

って、空里ちゃんに聞いてみた。


「うんっ!それと、めっちゃ優しい空気!」

「めっちゃ優しい空気?」

「うんっ!めっちゃあたたかな空気と、めっちゃ優しい空気に、この部屋は、包まれている...」

「ほんま?」

「ほんまほんま...」


「昔の誰かに愛されてるような...」

って、空里ちゃんは言ってる。

「ずっと昔の時代から、この部屋は、誰かにめっちゃ愛されているような...そんな感じするわっ!」


「そうなの?」

わたしには、空里ちゃんほど、はっきりとはわからない。

ただ、なんとなくだけど、やっぱり空里ちゃんの感じているようなことも、わかる気もしていた。


部屋にミコ入ってきた。

「あーっ!ミコちゃんー!」

「空里ちゃん、こんばんはー」

「こんばんはー」

「空里ちゃん来たから、お歌の女の子、めっちゃ嬉しそう」

「えっ?そうなのー?」

「めっちゃ喜んで、お歌を歌ってる」

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