ナオミンも
プシューッていう音、聞こえてきたような気もした。
ウィーンって、カプセルのドアも、自動で開いたような気もした。
柑橘系のような良いにおいも、してきたような気もした。
なんだか、めっちゃ甘~い香りもしてきたような気もした。
なんか、こう、心地好い音楽も聞こえてきたような気もした。
なんか、めっちゃ未来感のある音楽のような...
今まで、聞いたことありそうで、ないような感じのする音楽...
カプセルの中で、あたたかくて、めっちゃ気持ち良い風も吹いてきたような気もした。
体全体をめっちゃ優しく、くすぐられているような、そんな感じもしてきた。
カプセルの中、全体に、なんだか、めっちゃあたたかで、優しくて、心地好い光で満たされているような感じもしてきた。
なんだか、ボクの知ってた時から、何百回も、太陽のまわりを回ってきたような感覚になってきたような気もする...
目覚めたら、目の前に見えたのはナオミンの顔だった。
ナオミンの、めっちゃ優しく笑っている、可愛い顔...
でも、たしかにナオミンなんだけど、なんだか、なんていうか...めっちゃ未来感のある、ナオミンの顔...
なんなんだろうなあ...なんて言えば良いんだろうなあ...なんて表現すれば良いんだろうなあ...
なんだか、めっちゃ未来的な顔をしているナオミン...
シュッとしていると言えば、めっちゃシュッとしている...でも、めっちゃ優しい...
もともと、スパイシーでエキゾチックな顔のナオミンだったけど...
なんて言うか、美味しそうな顔って言うか...
めっちゃ、おなか、すいているのかもしれへん...
なんか、こう、ケチャップを付けて、なめたくなるような、そんな感じって言うか...
どんな感じやねんっ
自分でも、わからんわっ!
「おっはよう~!あやめっち!」
うわーっ!ナオミンのめっちゃ可愛くて、めっちゃ優しい声やあああああ!
ボクも声を出してみた!
「おっはよう~!ナオミン!」
やったあああああ!ちゃんと、ええ声、出たぞーっ!
「ナオミ~ン!」
「なに~?あやめっち~!」
「なんでもええから、チューしてぇ~!」
「えーっ?チューするの~?」
「うんっ!おねが~い!」
「いいよ~!」
ナオミンは、ボクのくちびるや、ほっぺや、顔中に、チュッチュと優しくキスしてくれた。
「ありがとう!ナオミ~ン!」
「あははは、初キッスやなあ」
「そうやなあ...ナオミンのキッスは、めっちゃ甘くて美味しい!」
「どんだけ、おなか、すいてんねんなっ!」
よ~しっ!カプセルの中から、起きあがってみるで~!
「ナオミ~ン!ちょっと手をひっぱってぇ~!」
「いいよ~!」
ナオミンは、ボクの手を優しく握って、グイッて、力強くボクを引っ張りあげてくれた。
やったあああ!起きたでーっ!
「おっはよう~!ってことは、今は朝ってことなの~?...」
「そうみたいだよ~!...わたしも、さっき目覚めたところだよ~」
「えーっ!そうなんや...」
「朝ごはんあるよ~」
「やったあ!なんか知らんけど、めっちゃおなかすいてるわ~」
ナオミンは、起き上がったボクの手を握って、キッチンに連れて行ってくれた。
「うわ~!塩バタークロワッサンやあああ!ボクの好きなや~つ」
「ミカンもあるよ~」
「やったあ!いただきま~す」
「いただきま~す」
「マッチャマのミカンなんかな~?」
「そうみたいやな~」
「ナオミンとボク、2人の想い出のマッチャマのミカンなんやな~」
「そうそう!2人の想い出のマッチャマのミカン!」
チュンチュン小鳥も鳴いている。
「可愛い小鳥の鳴き声だね~」
「可愛いね」
「3000年も、やっぱり小鳥は可愛いんだね」
「そうだね~」
「でも、今、ほんまに、3000年なんやろか?」
「さあ~?わたしも、さっき、起きたばっかりやから...」
「あれっ?でも、なんでナオミン、今、ボクといっしょにいるの?」
「なんでって...いっしょに未来に来たやないの」
「あっ!そうや!ナオミンと手をつないで、いっしょに来たんやったわ~」
「うちも直前に、カプセルにすべりこんで、あやめっちといっしょに来たからねっ」
「そうやん、そうやん、あはははは」
「なんか夢みた?」
「いや、みたのかもしれへんけど、覚えてないなあ」
「そやな!うちも」
「ほんまに今、3000年なん?」
「さあ?でも、そうなんちゃうか~」
「えーっ?ほんまにーっ?ほんまに3000年に来たんやったら、なんか、めっちゃスゴいやんっ!」
「そやなーっ!」
「なんか、今日の日付けのわかるやつ、ないかな~?」
「なんか、あるかな~?」
今日はほんまに3000年なのかを調べようと、2人で部屋を探しはじめようとしていたら、ドアを開けて、誰か入って来た!
「うわっ!空里やんっ!」
2155年に別れた時のままの空里と再会した。
「えーっ?なんで空里なんっ?...てことは、今、3000年じゃないんちゃうの~?まだ2155年なんちゃうか~?もしかして...」
「えーっ?でも、空里ちゃんも、なんだか未来的な空里ちゃんみたいな気するな~!気のせいかなあ?」
ってナオミンも空里と会ってびっくりしている。
「あーっ!あやめっち、やっと起きたねーっ!」
「なんで、空里ここにおるの?なんで、前のままの空里なん?今は何年?3000年なん?」
「そうだよ!3000年だよ!」
「えーっ?ほんまにーっ?3000年なん?うそやろ?3000年とちゃうんちゃうか~?」
「わたしも、2156年に、未来睡眠して、2999年に起きたんだよー!」
「なんやとーっ!ほんまかいな~?なんか、ほんまやったら、めっちゃ嬉しいやんっ!」
「わたしも今、あやめっちといっしょの26才なんだよー!双子やん」
「あっ、そうなん?双子なん?よう、わからへんけど」
「いいの、いいの!3000年からは空里も、あやめっちも、いっしょの26才ってこと」
「えーっ?まじかあ!空里と同じになってもうたん?」
「あやめっちに、追いついてもうたわっ!やったあ!」
「うわーっ!空里に追いつかれたあああ!なんでやあ~!そんなあほなあ~」
空里はちっちゃい頃から、ずっと、いつもボクの真似をしたがる。
でも3000年まで、ボクについて来てくれて、めっちゃ嬉しかった。
「まだまだ、これからお仕事の続きだよー。あやめっち」
空里に言われて
「えーっ?もう、お仕事なん?今、起きたばっかりやで~!もうちょっと、ゆっくりさせて~や」
って返事をしていたら、ドアから2人、入って来た。
「うわっ!未来の人かな...どうしよ~、未来の人って、どんなんなんやろ?」
って思ってドキドキしてもうた!
「あやめっち、おはようさんっ!」
「やっと起きたんやなっ!もう、お昼になってまうで!」
なんだか、めっちゃ聞きおぼえのある、なつかしい声やった。
「うわーっ!うわわわわーっ!なんで、おるのーっ?なんでーっ?」
「空里といっしょに、ついて来てもうたわ」
「えーっ、そんなあほなーっ!」
「あかんかったか?」
「ええやんかなあ!」
「いや、まあ、ええけども...なんか、そんなこと、しそうやわっ!」
「そやろ!」
「いや、ほんまに!...ほんまにやりそうやからなあ」
「あははは」
「でも、ほんまに来るとは思わんかったわっ!」
ママとパパも来ていた。
「いや、凄いで~!3000年!」
「別世界やで~!」
「あとで街、見てみ!」
「家も、着てるもんも、みんな違うで~!」
「電車も飛んで走ってるからなあ!」
「めっちゃ速いで~!」
「宇宙にまで行ってまうからなっ!」
「はよ見に行っといで!」
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