旅立ち

新年あけましておめでとうございます。

今年は2155年。

ボクも、いよいよ今年、ついに3000年に旅立つことになりました。

うわ~お。

3000年かあ。どうなってるんやろな。


もう、みんなにも、あいさつはすませてあるし...

準備は出来てるし...

ウァオサッカのミックスジュースは、もう飲んでおいたし...

ママのカレーも食べておいたし...


推しのアイドルにも会って、ちゃんと握手もしてきたし...

もちろん、最後のトークもしてきたし、あいさつもしてきたし...

推しとの記念の2ショットも撮っておいたし...

2ショットはちゃんとカバンに入れて、3000年にいっしょに行くように、すでにしてあるし...

あとは3000年に行くだけやなっ!


そう思っていたら、葵ちゃんから連絡あった。

葵ちゃんは、ウァオサッカ島から、ボクのところに遊びに来てくれた。

「きゃあああ、あやめっち~!会いに来たよーっ!」

「うわーっ!葵ちゃんーっ!ひさしぶりーっ!今、何やってるのー?」

「オッキナワン島のアートスクールで、美術の研究と教育をやってるんだよー」

「うわーっ!スゴいーっ!」

「まあね」

「どんな美術やってるの?」

「まあ、簡単に言ったら、オッキナワン伝統の美術を発展させるべく研究して、創作してるってことかな」

「なるほど~!葵ちゃんらしい...」

「ちょっとお空を散歩しよう!」

「いいよ!」

葵ちゃんと手をつないで空を飛んだ。

葵ちゃんの羽は、めっちゃ可愛い黄色。

可愛くパタパタさせて飛んでいる。


「万国博覧会記念公園にまで行ってみようか?」

って葵ちゃんに聞いてみた。

「あっ!いいねーっ!行ってみたいーっ!」

2人で空を飛んで、記念公園に行った。


「ここから見える、あの高台のあたりはボクの生まれた場所なんだよーっ」

「えーっ?ほんとにー?いいとこだねー!」

「そうでしょ~」


「あっ!そうだ!」

「なに?葵ちゃん...」

「記念公園にたしか、民族学博物館あったよね~」

「ああ、あるね~」

「ちょっと行ってみようよ~」

「いいよ~!」


2人で記念公園の中にある民族学博物館に入ってみた。

「うわーっ!スゴいーっ!めっちゃいろいろ展示されてて面白すぎるーっ」

葵ちゃんは、観てまわりながら、めっちゃ感動している。

「ほんまやな~!スゴい展示やな~」


「あっ!オッキナワン島もあるよ~」

「うわっ!ほんまや!」

「オッキナワン島の伝統楽器とかもあるーっ」

「舟とかもあるーっ」

「めっちゃ勉強になるわーっ」

「来て良かったやんっ!葵ちゃん」

「ほんまやわ!めっちゃ良き資料いっぱいあるーっ」

「オッキナワン島での研究にも役立ちそうやろ」

「ほんま、それな!」

「アートスクールでも、良い話できるんちゃう?こんだけの資料あったら」

「ほんまや」


それから、映像コーナーに行ってみた。

好きな映像を選んで見ることのできるスペース。

2人で席に座って、いろんな映像から、好きなのを選んで、見ていった。

「めっちゃ面白いわ」

「なかなか見られへんよな!これだけの資料は」

いろんな国や土地の、その場所独自のオリジナルな民族学的資料を映像でいっぱい見られる。

「ここの博物館ほんまにスゴいな!」


「1日じゃ、とても、まわりきられへんなあ」

「あやめっちのところに泊まって、明日も来よう!」

「そやな」

その日は、それで出て、そのあと、タコ焼きとお好み焼きを2人で食べに行った。


それから可愛いホテルに入って、えっちした。

ボクの体は女の子みたいなので、葵ちゃんとのえっちも、女の子どうしでするみたいな可愛いえっち。


3000年に行っちゃうと、もう葵ちゃんと、できなくなるから、今日はいっぱい、ずーっと、えっちした。


次の日も、2人で民族学博物館に行った。

世界中の民族楽器やら、民族衣装、民族家具、民族道具など、いっぱいあって、順番に観てまわった。

葵ちゃんは、熱心にメモを取りながら、目をめっちゃ輝かせて見ていた。

ちょうど、学芸員の方の公演も会議場でやっていたので、それも聞きに行った。

葵ちゃんは、いろいろ学芸員の方に質問とかしていて、公演も終わってからも、ずっと話をしていて、めっちゃ仲良くなったみたいだ。連絡先も交換していた。

たぶん、きっと、オッキナワン島とウァオサッカとで、連絡をとりながら、これからもいっしょに研究していくんだと思う。


「あやめっち、今日はほんまにありがとう」

「ボクも会えて良かった」

「民族学博物館も、あやめっちといっしょに観てまわれて、ほんまに面白かったよ!」

「ボクも葵ちゃんと2人で観れて、ほんまに良き想い出になったわ!」

「ほんまに?」

「ほんまほんま!3000年になっても、ぜったいに忘れへんで~」

「3000年は、なんか、めっちゃ遠い気もするけど、うちはうちでオッキナワン島で研究していくからねっ」

「葵ちゃんたちの研究あってこその3000年なんやろな~って思うよね」


「あやめっちといっしょに3000年にも行きたいけど、今こっちで仕事とかもあるしな~」

「ボクも葵ちゃんといっしょに行きたいけど、3000年に行ったら、葵ちゃんの仕事の活躍も知れたりするよね、きっと...」

「そうやとええなあ」

「3000年になったら、葵ちゃんのこと、色々調べてみるわっ」

「あははは」

「たぶん3000年でも、2155年とかの資料も、一瞬で色々検索できてるんやと思うで~」

「そうなんやろなっ!きっと」

「だから、3000年でも、『葵ちゃん』って検索したら、一発で出てくるよ!」

「そやろな~」


今日は博物館のおみやげコーナーに行ってみた。

葵ちゃんは、どこかの国の民族学的装飾の施されたペンを買っていた。

このペンで色々と書いたりするんやろな~。

ボクは、ゾウさんの置物を買った。

お守り的なやつ。

3000年の世界に無事に行けるようにと。


民族学博物館を出てから、万国博覧会当時のシンボルタワーを観に行った。

中に入って、当時のままの展示物を2人で観て行った。

万国博覧会開催時の、当時の人々の熱い情熱を感じられた。


そのあと、また、葵ちゃんとゆっくりえっちした。

女の子どうしの可愛いえっち。

3000年に行く前に、めっちゃ想い出になった。


「あやめっち、じゃあね~」

「葵ちゃん、またね~!...っていうか、また直接会うことはないのかな」

「そうなんやな~」

「3000年で葵ちゃんのこと調べるわっ」

「それまで、あやめっちに向けて、色々配信しておくわっ」

「いっぱいやっといてね!3000年で葵ちゃんのこと、いっぱい見れるから...」

「うん、わかった!色々やっとくねっ」

「バイバイ」

「バイバ~イ」


「あやめっち、行ってらっしゃい!3000年で会おうね!」

空里の声を聞きながら、眠りについています。

えっ?3000年で会おうねって、空里は何を言ってんねんな~。

会われへんやろ~。

もう最後なんやで~。


ただ直前になって

「やっぱり、いっしょに行くーっ」

ってナオミンは言ってくれた!

ナオミンもいっしょに行ってくれるから、今はナオミンと手をつないでいます。

ナオミンといっしょだから、めっちゃ心強い。

もしかしたら、誰よりもナオミン、ボクにとって、いちばん心強いのかも!

そう思えるようになってきた。

「ナオミン、あやめっちのこと、よろしくね~」

って言ってる空里の声、聞こえてきた!


アナ王女様、ユーリ姫、ミールちゃんたち、ママやパパ、みんなの声を聞きながら、プシューッていう音とともに、もう...ボクは...3000年に...向かっ...

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