ミュージカル

ウァオサッカの街から、ちょっと南西方面に行ったところにあるのは、イリオモテン島。そこに、人魚の暮らしている人魚の街リュキューンある。

リュキューンの街には、人魚たちで作っているミュージカル劇場ある。


2回生になったら、演劇部の顧問の先生に連れられて、演劇部のみんなで、「美魚と野獣」っていうミュージカルを観に行った。

海に暮らしている美魚と、陸で暮らしている野獣とのラブストーリーだ。

野獣は美魚を食べて暮らしているんだけれど、ある日、野獣は、ひとりの美魚に、めっちゃ恋をしてしまう。美魚も、その野獣をだんだん愛するようになっていく。


観劇後、先生といっしょに楽屋に行って、舞台衣裳を見せてもらった。

楽屋で、今、ミュージカルを終えたばっかりの人魚の出演者のみなさんは、メイクを落としたりして、くつろいでいる。


先生といっしょに衣裳を触らせてもらえた。

普段の街で着ている服とは違って、劇場の遠くから見ても、良く見えるように、キラキラと輝いている、きらびやかな衣裳だった。


人魚のダンサーさんは

「きゃあああ、可愛いピンクの羽ね~」

って、ボクの羽を見て、言ってくれた。

人魚のみなさんは、羽は持ってないけど、そのかわり、めっちゃきれいな体と尾びれを持っている。

「人魚のみなさんも、めっちゃきれいな尾びれですね~」

「ありがとう。ミュージカルはどうでした?」

「歌もダンスも、めっちゃ良かったです。舞台美術や衣裳もきれいでした~。ボクは服飾学校なので、舞台衣裳めっちゃ参考になって、刺激ももらえました」


人魚のダンサーのミールちゃんと仲良くなった。

ミールちゃんに

「わたしはいつも海の中だけで暮らしていて、空は飛べないけど、空を飛ぶのって、どんな気持ち?」

って聞かれた。

「たぶん、ミールちゃんの、自分のきれいな広くて大きな海に潜って、自由に泳いでいる時の気持ちといっしょなんだと思うよ」

って答えたら

「やっぱり、空を飛ぶのも気持ち良くって、大好きだってことなのか...」

って笑ってた。


ミールちゃんといっしょに食事した。美味しい貝の料理だった。

そのあと、ミールちゃんと2人で、海の中でえっちした。

ボクの体は、女の子みたいな体なので、ミールちゃんとのえっちも、女の子どうしでやってるみたいなえっち。

ミールちゃんの下半身、どういう作りになってるのか、よくわからないところも、ボクのえっちに似合ってる。

ミールちゃんのパープルの尾びれと、ボクのピンクの羽ピッタリ合う。

2人の女の子どうしのえっち、めっちゃピッタリ。気持ち良き。


教室でユタポンと、ミュージカルについて、いろいろと話し合っていた。

そしたら、2人の座っている机のところにユカリンやってきた。

「2人いつも楽しそうやから、わたしも演劇部に入るわ~!入ってもええ?」


「えーっ?ユカリン演劇部に入ってくれるのーっ?」

「うんっ!入りたいな~って思って...」

「やったあああ!もちろん、ええよーっ!やったあああ!なあ!ユタポンもええよなっ?」

「うお~っ!もちろん!これで演劇部3人やあああ!3人になったで~!」

「ユカリンよろしく~っ」

「よろしく~っ」

「いや、これで、演劇部も、ええもん、できるで~!」

「ほんまや~!ユカリン入ってくれたし~!」

「めっちゃ幅ひろがるよな~」

「ほんまほんま!めっちゃ幅ひろがる~」


「さっそく3人で、作戦会議やで!」

部長のユタポンは言いだした。

「何?何やるの?」


「いや、ちょうど明日な!新入生歓迎会あってな!」

「新入生歓迎会?」

「そやで」

「どこであるの?」

「体育館で!」

「体育館なんや!新入生を歓迎する会なん?」

「せやな!新入生みんな体育館に集まって、学校のことを紹介するんやけどな!」

「うんうん、それで?」


「それでな!部活紹介のコーナーもあるねん」

「部活紹介のコーナー?」

「その部活紹介のコーナーの時にやな~!」

「あっ!わかった!」

「何?わかったん?」

「そやから、その時にやな~、うちらの演劇部も紹介するってことなんやろ?」

「そやねん!」


「それで何するの?」

「せやから~、3人でやな~、せっかく演劇部なんやから~!」

「あっ!わかったわ!」

「わかったん?何を?」

「その時に、3人でタコ焼き屋さんをやるんやろ?」

「なんでやの」

「あれ、ちがうん?」

「ちがうよ...ちがうに決まってるやろ」

「じゃあ、どうするんやろな~?わからへんわっ」

「なんで、わからんの?」

「ユカリンわかる?」

「その時に、3人で演劇をやるんちゃうの?」

「あたり~!さすがユカリンや!」


「で、何をやるの?」

「それを~、これから決めるんやん...」

「あっ、そうなんや」

「そうなの!」

「で、何やるん?」

「それをこれから決めんねん」

「あ、そっか」


「って、こんな感じでええかな?」

「ええんちゃう?」

「よくないわーっ!」

「よくない?ユカリンは、どうしたい?」


「そやな~、3人でしっかりコスプレして演劇すべきやと思う」

「それなー!さすがユカリン」


「じゃあ、みんな今晩、台本を書いてきて、いちばんええやつを朝、決めよう!」

「コスプレはどうする?」

「もう、なんでもええから、明日までに各自、それぞれ好きなものを用意しておくことっ!」

「そんなんでええの?」

「ええの!いろんなものを演劇部として見てもらえばええからっ!」


「わかった!じゃあ、そうしよう!みんな明日の朝までに用意しとくんやでー!」

「おおーっ!」


結局、ユタポンのコントっぽい台本になった。

コスプレは、みんな3人とも、それぞれ可愛い。

ボクはゲームに出てくる女の子をイメージして。

ユタポンはアニメのキャラクターの感じ。

ユカリンは、オリジナリティあふれる、どこにもいないような唯一無二の女の子だ。


3人とも、直前まで、セリフを暗記している。

あとはアドリブで。

しかし演劇部なので、台本は大切にする!


バスケ部と陸上部と軽音楽部に、先にやってもらって、順番をなるべく遅らせて、その分、稽古をしっかりとやっておいた。


確かに面白い台本なので、新入生もみんな大爆笑。

先生も見てて、みんな笑っている。

演劇部の紹介として、なかなか良かった。


なにより、ユカリンの加入は大きかった。

演劇部2名っていうより、3名っていうことで、部活としてアピールも良く出来た。


翌日、演劇部の部室に、放課後3人で、その日の課題をみんなでやっていた。

そしたら、ドアをガラガラっと開けて


「あの~っ!演劇部に入りたいんですけど~っ!」

っていう新入生女子、あらわれた!


みんな飛び上がって

「あーっ!どうぞどうぞーっ!」

「いらっしゃいませーっ!」

「お待ちしてましたーっ!」


楓ちゃんっていう女子。

めっちゃやる気のある子だ!


その日から、楓ちゃんも、放課後、部室に来てくれるようになり、楓ちゃんはいつも勉強したり服を作ってたり...


とにかく活動的な新入生の女の子だ。

だから、演劇部も、楓ちゃんに、めっちゃ刺激を受けはじめている。


時間をめっちゃ有効に活用する女の子だから、部室でも暇を見つけては、課題に取り組んだり、自分の創作をしたりと、いつも何か活発に活動している。


楓ちゃんの歓迎会をオムレツの美味しいお店に行ってやった。

楓ちゃんは、これから、アイドルや演劇の衣裳を作っていきたいって言っている。

将来も、そういう仕事をやっていきたいって言っている。

めちゃめちゃ才能ある、多才な女の子。

ユタポンは部長だけど、楓ちゃんは副部長になってもらった!






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