大学

香絵ちゃんと葵ちゃんもいっしょにオッキナワン・アート大学美術学部を受験することになった。

オッキナワン島のお城シューリン城の近くに芸大はある。


美術の実技試験の問題は

「空を飛んでいる軌跡を表現しなさい」

っていうものだった。

ボクは空を飛んでいる時の、自分の羽の軌跡を、画用紙を空全体だと考えて、飛び回っている大小いろんな大きさの羽の動きを描いて表現したつもりだ。


結果、香絵ちゃんと葵ちゃんは見事オッキナワン・アート大学の美術学部に合格した。

ボクは実技試験の出来も、自分でも微妙な感じだったから、どうなることかと思っていた。ぶっちゃけ、もっと大胆に画面からはみ出すくらいな軌跡を描けば良かったかなあ~って思っていた。ボクのは、ちょっと、こじんまりと、まとめすぎてたかもなあ~って自分でも思ってた。結局、ボクは合格出来なかった。

でも香絵ちゃんも葵ちゃんも

「いっしょに芸大に通えないのは、めっちゃ寂しいけど、だからと言って、あやめっちのことは、ずーっとずーっと、いつまでも大好きなんだからねーっ」

って言ってくれた。


ボクは、芸大の次に第二希望だったブンブン大学には合格出来て、こちらに進学することになった。

この学校はウァオサッカにある。

ウァオサッカはボクの生まれ育った大好きな街なので、ウァオサッカの街で、また暮らすことできて、めっちゃ嬉しい。


ママ、パパ、空里といっしょに今まで暮らしてたオッキナワン島の家を出て、ウァオサッカの街に行く。


学校の寮で暮らすことになった。

寮長さんはミクさんっていう可愛い女の寮長さん。


ママといっしょに寮長さんと会った。

「あやめさん、よろしくね~」

「よろしくお願いいたします」

寮長さんは、この学校の寮に関しての決まりなどを話してくれた。


その時、たまたまポケットに手をつっこんでいたら、ママに

「あんた、人の話を聞いてる時に、ポケットに手をつっこんで聞いてたら、あかんやろっ!」

って怒られた。

ボクは、プーッと、ほっぺたをふくらませたら、ママに

「あんたは、ちっちゃい頃から、すぐ、プーッてふくれるんやから...ほんまに」

って、つっこまれた。

「あんたはフグか...フグサシにして食ったろか?...ねぇ、フグなの?フグタさん?...フグタさんにも失礼やろ!...ていうかフグにも失礼やろ!...寮長さんの話を聞く時は、ポケットに手を入れんと、ちゃんと出して聞かなあかんやろっ...」


寮長さんは、にこやかに笑いながら

「まあまあ...あやめさんは、お静かで、おとなしそうやから、静かな子たちのいる部屋の近くにしときますわねっ!」

って、ママとボクとの間に入って優しく言ってくれた。


ママは寮の部屋に、とりあえず必要なものをいっしょに揃えたら、あとはまたオッキナワン島の家に帰って行った。


ボクは学校で使う教科書とかを入学前に購入してあったから、それを片っ端から読んで予習しておいた。


ブンブン大学では、文学部や服飾学部など色んな学部ある。

中でも、文学部と服飾学部とは1回生2回生の時は、合同で授業を行っている。そして3回生になる時に、文学部なのか服飾学部なのか、どちらにするのかを決めれば良いことになっている。だから1回生と2回生の時は、両方の学部にまたがる一般教養を学ぶ。

総合的な一般的なことを幅広く学ぶ。


大学での最初の服飾概論の授業の時に、みんなの体を採寸するために、教室で裸になった。

ボクは、柔らかくて曲線的な、めっちゃ女の子みたいな体なので、まわりのみんなも、ちょっとびっくりして見ていた。

でも、すぐみんなと仲良くなって、その日は、みんなで体の採寸を測って、その自分の体のスリーサイズによって、これから服を作っていくことになった。服飾概論の最初の授業。


北のほうから学びに来ている、ユタポンっていう女子と学校で仲良くなった。

ユタポンは教室で

「学校の前にミルフィーユ・ホテルって、あるやんか~」

って、ボクに話しかけてきた。

「あるな~!結構大きな立派なホテルやな~」

「そやろ!でな...ここの学校の卒業式の日にな...」

「うんうん...」

「あっ、ていうか卒業式の前の日にな...」

「うんうん...」

「2人でミルフィーユ・ホテルに泊まってな...」

「うんうん...」

「それで、卒業式の朝に、2人でいっしょに卒業式に出るようにしようや!」

「うわ~っ!それええな~っ!」

「そやろ!ええやろ?」

「めっちゃええわ!」

「ほんま?」

「めっちゃええアイデアやわ!」

「そやろ!やったあああ、約束やで!」

「うん!約束なっ!」


ユタポンの、その提案を聞いて、めっちゃ嬉しかった!

ボクも、そういうの、めっちゃ好きやから...

面白そうな子やなあ~って思った。


たぶん...卒業式の前の日に、ミルフィーユ・ホテルに泊まって、2人でいっしょに卒業式に出るってことは、もう2人とも、就職もちゃんと決まってて、それで卒業式に出るってことやから...


つまり、いっしょに卒業式を迎えられるように、2人で、これからしっかり学んでいこう!~ってことやから...


そして2人とも、それぞれ就職も決まってるってこと...2人でちゃんと就職決まるように学んでいこう!~ってことやから...


ユタポンは面白い子やから、毎日、学校でも笑かしてくれている。

ボクは面白い子、好きやから、ユタポンのことも、めっちゃ好きや!


ユタポンは、なんか可愛い女の子のアニメのキャラクターをめっちゃ好きみたい!

その可愛い女の子のキャラクターのために、何かを学び、就職して、そういう仕事をやっていきたいって思っているみたいだ。

ユタポンにめっちゃ似合ってると思う。

何か可愛らしいキャラクターに関する仕事に就職するのって...


それからユタポンはスキーめっちゃ得意みたい。

北のほうの街から来たみたいやから。

ボクはまだスキーは、やったことなかったから、ユタポンに教えてもらって、スキーもやりたいな~。


学校の帰り道にユタポンに

「可愛くて美味しいお店あるから、いっしょに食べに行こう!」

って誘われた。

「あっ!行こう行こう!」

って言って、いっしょにお店に入った。

オムレツの可愛いお店だ。

ユタポンは好きで、よく来て食べてるみたい。

「ここのお店のオムレツ、超美味しいんやから...」

って言うユタポンのおすすめのオムレツ料理を食べてみた。

めっちゃやわらかいっ!そしてめっちゃ美味しい!

オムレツの上の、ハートのケチャップも、可愛いし美味しい。

どのメニューも、それぞれ美味しそうやから、何回でも食べに来れそうや!


ユタポンの描くデザイン画はめっちゃ可愛い。

そのキャラクターに愛あるの伝わってくる。

上手いっていう前に、愛情を感じられたり、味わいのある描きかたをしているところとか好き。


服飾概論の授業で、まず簡単なスカートを製作した。

ボクは自分で着てショーに出た。

ユタポンと同じグループになったから、いっしょにステージを歩いて見せた。

いちばん前まで行ったら、ユタポンとジャンケンして、勝ったのユタポンだったから、ボクはユタポンをおんぶして、ステージから引っ込むっていう演出をやった。


「演劇部に入ろう!」

ってユタポンに言われた。

学校に入学する前には、演劇部に入ろうとは思っていなかった。

ユタポンは演劇的なの、めっちゃ好きそうで、ボクも影響を受けていたから

「いいよ!」

って言って演劇部に入ることにした。

そしたら、去年で演劇部員みんな卒業したらしくて、今年は部員ゼロの状態やったから、2人入って部員2名として復活した。


学校でヌードデッサンの授業もある。

先生に

「あやめちゃん、ピンクの羽、めっちゃきれいやから、モデルになってくれへん?」

って言われた。

それで、ボクは、ヌードデッサンの授業の時には、ヌードモデルとしてのお仕事も、やるようになった。

ちゃんとしたお仕事なので、学校側からも給料をもらえる。

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