アクセサリー
夜は、女子といっしょにお風呂に入った。みんなそれぞれ可愛い羽を背中に付けていた。
みんなで羽の洗いっこをした。
葵ちゃんは黄色い可愛い羽。
お風呂からあがって、晩御飯を食べた。
それから葵ちゃんといっしょに女子のほうの部屋で寝た。
カエデ先生にも
「あやめちゃんは、どちらかと言うと、女の子なんだから、女の子の部屋でいっしょに寝なさいねっ」
って言われていた。
朝になって
「じゃあ、みんなで空を飛んで中学まで帰るわよ~。みんな、もう中学3年生なんだから、自分で飛べるわよね~」
ってカエデ先生に言われて、お寺から、みんな空に舞あがって、羽をパタパタさせながら、空を飛んで、ウエノヤマ中学まで戻って行った。
空里には
「星にひかれてピョンコー寺詣り」
って描かれた湯呑みをお土産に買って帰ったら、めっちゃ喜んでた。
すぐ、その湯呑みにお茶を入れて飲みながら、お土産のおまんじゅうをいっしょに食べた。
家では、空里と2人で、アクセサリーを作っている。空里も、手先めっちゃ器用なので、可愛いアクセサリーをいっぱい作っている。
オッキナワン島から、ちょっとだけ離れたところにあるサフラッコ島で、お姉ちゃんはアクセサリーのお店をやっている。
空里と、そのアクセサリー店に遊びに行ってみた。
「由菜お姉ちゃん、こんにちは~」
「空里と遊びに来たよ~」
「う~わっ!あやめっちと空里やないの!来てくれたんや~!」
って、お姉ちゃんもめっちゃ喜んでいる。
家から自転車に乗って、空を飛んで行った。
空里には、まだ羽は、はえてないので、空里はまだ自分で空を飛ぶことは出来ない。
お店の壁や天井に、色んなアクセサリー飾られてあって、ボクと空里の作ったアクセサリーも、飾ってくれた。
「ちょっと買い物に行ってくるから、その間、2人で、お店を見ておいてね~。お客さん来たら接客して売ってね~」
って言われて、空里とお店の番をしていた。
しばらくしたら、女子高生のお姉さん3人組、お店に入って来た。
「いらっしゃいませ~」
って2人で声をそろえて、あいさつした。
みんな、羽につけるアクセサリーを選んでいた。
「あ~っ、これ可愛い~」
って手にしてたのは、空里の作ったアクセサリーだったから、空里とボクとは顔を見合わせて笑っていた。
もう1人のお姉さんも
「あ~っ、こっちも可愛い~」
って言ってくれて、それはボクの作ったアクセサリーだった。
空里は
「それは今日たった今、入荷したばかりの最新作でして、このお店と新たに専属契約しはじめたアクセサリー作家の作品なので、ここでしか手に入らないものですよ~。たぶん、すぐに売れきれちゃいますね~」
って説明していた。
「2人とも、このお店の子?」
「はいっ、そうです。この手にされたアクセサリーは実は、こちらの、あやめっちの作品なんですよ~」
「えーっ?あやめっちさんはアクセサリー作家さんなんですね?」
「えーと...まだ新人ですけど、これからもよろしくお願いします~」
「じゃあ、応援する意味で、あやめっちさんの作品、ぜんぶ欲しいんですけど...」
って言われて、ボクの作品をお姉さんたちに、ぜんぶ並べて見せた。
「きゃあああ、ぜんぶ可愛いのね~」
って言って、買っていってくれた。
空里の作ったやつも、1つ売れて、空里もめっちゃ喜んでいる。
由菜お姉ちゃん、買い物から戻って来た。
「由菜お姉ちゃん、あやめっちのアクセサリーぜんぶ売れちゃったよ~」
「えーっ?あやめっち、凄いやんっ!」
「空里のも1つ売れたやんなっ!」
「えーっ!空里も凄いやんっ!」
「えへへ」
「サフラッコ島のイチゴ買ってきたよ~!あやめっちも空里も食べてみな!美味しいよっ」
由菜お姉ちゃんは、お買い物に行って、イチゴを買ってきてくれていた。
「う~わっ!めっちゃ美味しい」
「めっちゃ甘ずっぱい...」
「そやろ!甘ずっぱいやろ!」
「甘ずっぱいって、どういう味かって、サフラッコ島のイチゴ食べてみて、初めてわかったわっ!」
「美味しいやろ~!サフラッコ島のイチゴは世界一なんやで~」
「ほんまやな~」
「あやめっちも、甘ずっぱい味をわかるようになったんやなっ!」
「恋の味なんやろか?...甘ずっぱいのって...」
「そうやで~!」
「空里も、甘ずっぱいのわかったで!」
「ほんま?」
「ほんまほんま!」
「空里は、どんな風に甘ずっぱかったん?」
「えっとな...サフラッコ島のイチゴを口に含んだ瞬間に、最初はめっちゃ甘かったんやけど...」
「うんうんっ...それで?」
「最初はめっちゃ甘かったのに、しばらく
したら、口の中に、フワ~ッて、すっぱい感じしてきた...」
「うわっ!空里も、わかってるやんっ!」
「えへへ」
「空里にも、サフラッコ島のイチゴの甘ずっぱさ、わかるまでになったんやな~」
「まだまだ空里には羽は、生えてないけどなっ...」
「ええのっ!そのうち、空里にも、めっちゃ可愛くてきれいな羽、生えるんやから...」
「そやな~!空里にも生えるよね~」
「うんっ!」
「そしたら空里も自分で飛んで来れるねっ!」
「そやで!」
「あっ、そうや!」
「えっ?なに?」
「また、由菜お姉ちゃん、なにを思いついたん?」
「あんなっ!あやめっちと空里、また新しいアクセサリー作ったら、うちに送ってな!」
「えーっ?ええの?」
「ええよっ!お店に置いとくから」
「やったあああ!じゃ帰ったら、また新しいの作って、お姉ちゃんとこに送るね」
「うんっ!待ってるで~!可愛いの作ってね」
「わかった!空里といっしょに可愛いの作ったるわ!なっ!空里!」
「そやな!あやめっちといっしょに可愛いの作ったるわ」
「あははは、可愛いの待ってるね~!」
「空里にも羽、生えたら、新しいアクセサリー、飛んで持って来るからね~」
「あっ!そうや!サフラッコ島のイチゴを使って、苺ティラミスを作ったるわっ!」
「えっ?苺ティラミス?」
「お姉ちゃん、そんな苺ティラミスなんて作れるの?」
「あんたらと、いっしょにせんといて!お姉ちゃん、苺ティラミス作るの、めっちゃ上手んやから...」
「そうやったんや!」
「苺ティラミス作りにいくから、その間、ちょっとお店を見といてね~」
「うんっ、わかった!空里といっしょにお店番しとくね」
しばらく、お姉ちゃんのアクセサリーのお店の中で、お店番をしながら、空里と遊んでいた。
「いろんなアクセサリーあるで~空里」
「ほんまやな~可愛いのいっぱいあるよ~羽に着けたら、めっちゃきれい!」
「空里には、まだ羽ないけどな...」
「もうすぐ生えるもんね」
「そやな」
「あやめっちは、いつ頃、羽、生えたん?」
「中2になった頃やな~」
「じゃあ空里も、もうすぐやわ」
「やっぱり自分に羽、生えないと、羽に着けるアクセサリーも、良いの作れないやろ~!」
「そやな~、空里にも羽、生えたら、もっと可愛いの作れそう!」
「苺ティラミスできたよ~」
お姉ちゃん、苺ティラミスを作って、持って来た。
「めっちゃ美味しいんやから...」
「うわっ!なんか、ほんまに美味しそう!」
「苺めっちゃ可愛い!いただきます~」
「どうよ?」
「うわ~っ!ほんまに、めちゃめちゃ甘ずっぱい」
「甘ずっぱくて美味しい~」
「サフラッコ島の苺、めっちゃ生かされてるやんっ!」
「お姉ちゃん、苺ティラミス作るの上手やわ」
「苺ティラミスのお店も開けるよ!」
「アクセサリーのお店と、苺ティラミスのお店、両方やろうかな?」
「それはええわっ!ぜったい、やってな」
「また食べに来るね~」
「アクセサリーの新しいのも持って来てや~」
「うんっ、わかった~」
「持って来るね~」
空飛ぶ自転車に乗って、またオッキナワン島に戻った。
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