第10話 《祝!!》無事にアルバイトに採用されました!



誰かと話しているようだったが静かになったと思ったら、間も無くバリーがローラーのついてる椅子に乗りながら、部屋から出てきた。



「今、君たちの雇い主と電話していたのだが、君たちに給料が振り込まれているようなんだ。確認できるか?」

とバリーは左手で日向達のスマホを指差したが、その表情はすこし怒っているようにも見えた。




今回のアルバイトで初めて自分の口座を作った日向は、慣れない手つきで銀行のアプリを開くと、自分で入れた覚えのないお金が入っていた。


だがぱっと見で金額がわからない。いち、十、百、千…


「…」

一瞬日向はその数字を疑った。こんなお金を持ったことがない日向は驚き過ぎて言葉を失った。

高校生がこんな大金持ってても大丈夫なのだろうか……そんな不安が日向の心をよぎるほどだった。



「む、200万円か。良い着物が1着は買えるな」


さらっと金額を口に出す紫郎を尊敬すれば良いのかよくわからなかったが、自分と同じ額をもらっていることに少し安心感を感じた。

独特の金銭感覚を持っている彼も、振り込まれている額に一応驚いているようだった。


大金を持つのに不安を感じる日向は、帰ったら父に管理してもらうことに決めた。







「そうか…」

日向の決意とは裏腹に、バリーは日向たちから目を逸らし、複雑そうな表情で部屋の角を見ていた。


だが、そんなバリーなどお構い無しなヘイデンは金額が振り込まれていると聞いて、驚きながら聞いた。

「ま、まさかこの子たちが『新しい人員』ですか!?」

「あ、あぁ。

馬鹿げているが…そういうことらしい」


バリーはヘイデンのビッグボイスに驚いて顔をあげてそう答えた。



日向は『新しい人員』とやらが、なんのことだかわかっていなかったが、ここにアルバイトに来たことは間違っていなかったみたいでほっとした。






ん?





ということは…





日向は恐る恐るバリー聞いた。

「アルバイトの仕事って…まさか…」


「あぁ…そのまさかだが…


君たちには、この島にいる手伝いをしてほしい」




「…」



が的中してしまった日向は、開いた口がふさがらなかった。

さっきの記憶が思い起こされる。あのとこれから毎日会わなければならないのか…

まあ、最も同じゾンビと毎日顔を合わせるわけではないけれど…



今回こそ運良く相手を倒すことはできたが、次はないかもしれない…日向はゾンビと一対一で殺り合う想像をし、恐怖で身の毛がよだった。



「あぁ、でも、君たち1人で行うわけではない。君たち2人と、もう1人の3人でこれからは行動してもらう。

まぁ気難しいヤツではあるが…強いていうならゾンビに特化した戦い方ができるやつだ。君らが危険に及ぶことは少ないだろう」



そこはゼロであって!と思った日向だったが、隣の先輩と一緒に仕事できることに少し安心した。


…だけれども、こちらの先輩も気難しい人のうちに入るタイプである、

果たしてアルバイトをしてくれるのであろうか…



「一度銃を撃ってみたかったのだ!普通のアルバイトよりも楽しそうじゃないか!」


目をキラキラさせて、声を弾ませてる彼は予想以上にウキウキした様子だった。



バリーはそんな紫郎をみて、表情が少し和らいだ。

「そうか、それならよかった。

君たちのような学生にこんなことを頼むのは本当に申し訳ないと思っている。だが、色々な事情があって、人員が足りていないんだ。君たち2人が手伝ってくれるだけでも大助かりだよ」



『色々な事情』の中にゾンビに喰われた等がないことを祈りつつも、自分達が力になれることに日向は少し良い気分になった




「じゃあ早速、君たちが2ヶ月間生活する家を紹介しよう」

とバリーは言ったが、自分の身体がボロボロであることに気づいたのか、



「…ヘイデンが」



と付け加えた







☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡


ご覧いただき、ありがとうございました!


これから日向たちのアルバイト生活が始まります!ワクワク!!


また明日も投稿しますので、お楽しみに(^^)


カクヨムさん、いつもサイトの運営、管理ありがとうございます


読者の皆様、いつも応援ありがとうございます!お陰さまで、楽しくやらせていただいております。

みなさんがもっと楽しめるような物語を作っていきたいと思っているので、良ければこれからも応援よろしくお願いいたしますm(__)m


このみ(^-^)

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