第8話 フェンスの中の⦅軍基地⦆にお邪魔します…
日向たちが歩いていると、フェンスが2重になっているところに到着した。
2重のフェンスの間には1人分の人が中に入れそうな箱があり、どうやらここから中に入れるようだ。
「これで体についたウイルスを吹き飛ばすんだ」
そうバリーが言うと、先に日向を、次に紫郎が入るように並ばせた。
箱に足を踏み入れ、中のボタンを押すと、突風と謎のミストが360度日向に吹きかかり、スカートから髪から何から何まで吹き飛ばされた。
幸いにも箱の外からは中の様子が見えないようであったが、さすがの日向もスカートがめくれ上がった時にはびっくりした。
だがそれは紫郎も同じだったらしく、紫郎は着物を直しながら、むくれた顔で外に出てきた。
「あまり好きにはなれない…」
そんなことを言っていた。
ようやくフェンスの中に入ると、バリーが先程ヘリコプターが降り立った建物を指差した。
「この建物の3階だ。」
と言うと、また歩き始めた。
…自分たちが非常階段から降りた事でバリーのことを助けることはできたが、それにしても遠回りなことに日向は苦笑いした…
建物までたどり着き中に入って3階まで階段を上ると、目の前には広間があり左右に廊下が続いていた。
広間の手前にはソファが2つ机を挟んで向かい合って置いてあり、その奥には12個の画面が壁に広がっていた。
「おお!かっこいいな!」そう紫郎が言うように、アニメに出てきそうなその場所では、画面の一つ一つが違う映像を映している。
どうやら島の監視カメラと繋がっているようだ。
日向と紫郎が部屋を見ていると、
「君たちはここで待っていてくれ」
とバリーからソファを案内されたので、2人は向かい合って座った。
ヘイデンに肩を借りているバリーは全身の怪我でここに来るまでに結構疲労しているようだったが、バリー自身は自分の体よりもずっと他のことを気にしているようで、「はぁ、またか…」と呟きながら広間の右側にある扉の奥へと入っていった。
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