【2つとも入っちゃってる】
さっきまで威嚇していた竜が落ち着いたので、俺は沢田姉と話を続けた。
「それで金丸くん...宝月に狙われてるんだって?」
「あ、はい。」
「実はね...昨日私と竜くんを尾行してた人がいたの......それが宝月の忍だって事はすぐにわかったんだけどね。」
さすが監視員...。
ストーカーがいてもすぐ気付くだろうな。
「竜くんも特能者だから、トラブルに巻き込まれる事は多い...普段は私がいるから問題はないのだけれど......今回のはプロのそれだった。」
確かに......稟花ちゃんもあの年齢であの動きができるのは普通じゃない、俺には一瞬しか見えなかったけど......。
「しかも...金丸くんにとっては良くない情報が沢山、まあ私にとってもだけど。」
「それってどういう。」
沢田姉は綾ねえにアイコンタクトを取る、綾ねえが頷くと一瞬笑顔を見せたあとに話を続けた。
「宝月の一族は現時点で231人、その内18人は他の監視員達が既に拘束し白川刑務所に監禁してる。」
231...たしか稟花ちゃんは228人って言ってなかったか?
「1番の問題は...その忍達は一般社会に溶け込み普通の生活を送っているという事。」
「え?」
綾ねえが俺の横に座る。
そして...。
「そうなのだ。」
「うわっ!?」
「そう...隠れ里にいる忍はたった3人、それ以外は普通の生活を送ってる一般人と変わらない。」
「うわっ、荒川さんも!?」
莉紗ちゃんが俺の左からいきなり現れ、荒川さんが上から降ってきた。
「稟花ちゃんは228人って言ってたけど、隠れ里にいる3人以外は全て記憶が操作されていた。」
記憶操作?
「その3人はおそらく特能者...そしてこれだけの人間を同時に扱えるという事は、最低でも......Aランク以上の能力者がその中にいる。」
Aランク...。
不特定多数の記憶を操作できる能力。
という事か、確かにそうなると被害は甚大...。
「先日、2人からの情報で春くんがいた南城とこの白川大にも宝月一族が入り込んでいる事がわかった。」
俺がいた南城高校に!?
これだけセキュリティが強固な白川大にも......。
って、まさか。
「アクション部!?」
「おー春くん正解!えらいぞー。」
「ちょっ、撫でんな!」
綾ねえが俺を引き寄せて頭を撫でる。
「
「えっ、2人?」
荒川さんはサラッと2人の名前を口にした。
「で...今どういう状況かというと......。」
荒川さんの両手が黒薔薇に変化し巨大化する、禍々しいオーラを放つ黒薔薇の下には。
痛々しい棘に包まれた赤坂姉妹が、あられもない姿で捕まっていた。
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