【スマホ...振動...バイブレーション】

月曜日......。

こんなにもやる気の出ない曜日はない。


どれだけポジティブな人間でも、休みの後というのは気が乗らない物だ...。


特に、南茂さんと岸本さん...この2人にどう接していいのがわからない......。


なるべく時間ギリギリに教室へ入ると、2人の視線がすぐにこちらへ向く...。


そして席に座る直前、岸本さんに声をかけられた。


「金っち!」

「お、おう。」

「今日もご飯、一緒に食べよぅ!」


岸本さん声のボリューム...一瞬にして周りからの視線が集まりざわつく。


「流石に今日はちょっと...。」

「ええー!?...なんでよ......。」

「いつも沢田と食ってるからさ。」


それを聞いた岸本さんは目に涙を浮かべる。

おいおい...。


「この前の事...謝りたくて......。」

「えっと...気にしてないから大丈夫だよ。」


岸本さんが目をキラキラさせながらじっと俺を見ていると、沢田が岸本さんの後ろから現れる。


「そーいう事か、おいおい金っち...俺の事は気にするな。」

「え?」

「いいか、岸本はな...。」

「ちょ、しー!!!」


岸本さんが沢田の前に入り込み会話を遮る。


「なんだよ。」

「それ内緒の話って言ってたっしょ!」

「あ、そうかすまん。」


なんの話か凄い気になるなあ...。


「まあ、あれだ...飯くらい一緒に食ってやれよ。」

「いや...あのさ......。」

「なんだよ。」

「2人とも声の音量もうちょっと下げれないか?」

「あん?」


クラス中から視線を感じるんだけど。


「なんだ?...岸本と金っちが一緒に飯食うだけだろ?」

「いやだから...。」

「あのー......。」


南茂さんが手を上げながらよそよそしく話しかけて来る。


「4人で一緒に食べるのはどうかな?」

「あん、お前ら金っちと飯食いたいんじゃないのか?」


あーもう何でもいいや。

沢田はこういう奴だからな...。

それにしてもクラス全員から痛い視線を感じるな、中には舌打ちして睨んでる奴もいる。


「金丸くん...どうかな?」

「うーん。」


俺に答えを求められてもな...。


「おい金っち、女の子からのお誘いを断るとは何事だ!」

「お前はややこしくなるから黙ってろ!」

「よしわかった黙ろう。」

「はぁ......まあ4人でいいなら。」

「いえい!」


岸本さんが南茂さんにピースする。

さっきまでの涙は何処へ?


「じゃあこの前のトコね!」

「オッケー...。」


この時...俺の首筋に電流が走る。

恐る恐る後ろを振り向くと...。


綾ねえが鬼の形相でこちらを睨んでいた......。

ヤバイ......。


このタイミングでチャイムが鳴る。

そして授業間の小休憩、南茂さんが俺に話しかけてくる。


「金丸君、連絡先交換しよ。」

「え?」


南茂さんはスマホを差し出しながら震えている。

どうしようか......。


「だめかなぁ......。」

「えっと...。」


すると岸本と沢田が集まってくる。

そして沢田がまた余計なお節介をかます。


「金っちの番号なら知ってるぜ、0905...。」

「おい勝手に言うなって!...てか直電かよ。」

「ダメか?」

「LINAとかメールとかあるだろ。」


って話をまたややこしくしやがって...。


「金っち、ウチともLINA交換しよ!」

「いやまあ...いいけど。」


こうして流れで2人と連絡先を交換する事になった、そして授業中にさっそく岸本からLINAが飛んできた。


(よろしくねぇー♡)


それは良い、ただLINAのアイコンが俺との2ショットになっていた...。

こんな写真いつの間に!?

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