【おっぱいで緊急発射!】

綾ねえは何も言わずじっとこちらを見ている。

褒められて嬉しいのか、それとも嫉妬してるか...。


3人とも弁当を食べ終えると岸本さんがふと俺の肩をトントンと叩く。


「ねぇ、うちらの能力知りたくない?」

「ああー...そういえば女の子ってあんまり自分の能力言わないよね。」

「そう...うちはね、好きな人にしか教えないの。」

「え?」


その発言だと岸本さん...俺の事を?


「え?」

「いや、え?」

「だから、うちは好きな人にしか能力を教えないの...聞こえなかった?」


......えっ?

いや...あれ、南茂さんに告白されたの知ってるんだよね?

どゆこと?


「金丸君......前に岸本さんを助けてくれた事あったよね。」

「助けたって言っても、先生呼びに行っただけだろ?」

「愛梨沙ちゃんはね...その日からずーっと金丸君の事気になってたみたい。」


毎日...気付かなかった......。

てか、あれ...。

何か......おかしくないか?


「そう、好き...めっちゃ好きなの......襲いたいくらいに。」

「はい!?」

「ちょっと愛梨沙ちゃん何言ってるの!?」


すると岸本さんは俺の左腕に胸のふくらみを押し付けてくる、綾ねえ程ではないが柔らかい2つの感触がしっかりと伝わってくる。


「ってか、南茂さんも何してるの!?」

「私だって金丸君が大好きだもん!」


南茂さんは俺のお腹に抱きついていた、太ももには南茂さんの柔らかい感触が...。


「2人とも、ちょっと一旦落ちつこう?な?」

「やだ...うち離れたくない、ねえ金っち...キスしていい?」

「ええっ!?」

「なら私は首噛んでいいかなあ?」

「いや、は!?」


いきなり2人ともどうした、何がどうなって...。

これって...まさか!?


俺の能力が発動した!?

いやだとしたら綾ねえが動かないのは何故?


......いやまさか!?

その考察は間違ってなかった。


綾ねえがゆっくりとこちらに近寄って来ると、俺の後ろから抱きついてくる。


頭の上には2つの塊が乗り、身体中に柔らかい感触が触れ同時に南茂さんが首元に甘噛みをする。


そのタイミングで俺は目をギュッと閉じると左の頬に岸本さんの唇が触れ、ちぅちぅと2回吸う音が聞こえた。


何が何やらわからなくなったその時、俺の身体が一瞬宙に浮いた感覚と共に綾ねえに抱られているのがわかる。


胸の感触で...。


「危なかった...そのまま目、閉じてて。」

「うん...。」

「一旦ここを離れるから。」


その後2人は我に帰る、しかし記憶は消えない。


「......あ、あれ私あんなこと...ふぁ。」

「あ、あははは...キスしちゃっ...てた...うち。」

「してた...私も......。」

「何か...おかしくない?」

「うん......。」


そして......。

綾ねえが俺を抱えて廊下を走っているのがわかる、こんな姿を見られるのは恥ずかしいな...。


「今日はもう目を開けない事...わかった?」

「うん。」

「危うく私も春くんを襲っちゃうとこだったよ。」

「それはいつもの事じゃ...。」

「あれは愛情表現、そっちはまだでしょ。」


そっち......。

そっちって...。


「あっ...したいの?」

「いや......。」

「嘘。」

「いやいや。」

「はい嘘。」

「......はい。」

「しません。」


言うと思った...。

扉が開く音がする、教室とは違い鉄の扉の音だからおそらく屋上だろう。


綾ねえは俺をゆっくり下し立たせると、頬を引っ張ってきた。


「浮気者。」

「だって綾ねえがOKって!?」

「あれは、死んでもいいならどうぞ...の頷き。」

「わかんないって!」


今がチャンスとばかりにお腹をくすぐってきたり、デコピンしたり...。


目を閉じてるからやられたい放題だ。

こうなったら...。


ってあれ......。

しまった、読心術...。


「あれあれー、急に熱烈なハグなんてどしたのかなぁ?」

「くそう...。」


この後、暫く弄ばれた。

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