【綾ねえの胸は危険度Gですか?】
その晩、俺と綾ねえはいつも通り一緒に風呂に入っていた。
俺が湯船に浸かり綾ねえは身体を洗っている。
監視員の仕事はその対象から決して目を離してはいけない、人によっては睡眠中に手錠をかける人もいるらしい。
監視員は特別職国家公務員で、合格率3%の超難関試験を突破したエリートにしかなれない職業だ。
その給料は年収にして軽く4桁を越えるらしい、実際綾ねえも使い道がないらしく休みの日には、旅行や遊園地に連れて行ってくれたり服を買ってくれたりする。
ちなみに監視員が必要な特殊能力者、略して特能者にも国から手当が出ており、俺はその手当で一人暮らし...いや綾ねえと同居生活を送っている状態だ。
高校生の一人暮らしは大変だと聞いてたけど、俺は綾ねえのおかげで何不自由ない生活を送っていた。
このままずっと綾ねえが監視員でいてくれたらいいのになぁ......。
なんて思う事も少なくはない......。
「あら...もしかしてプロポーズされた?」
「あっ...違うって!」
「おやおや?...へぇー。」
あーもう、心を無にする。
何も考えない...何も...。
「はーい、おっぱいだよー。」
「ぶはっ!!」
綾ねえは自分の胸を持ち上げ見せつけてきた。
くっそ理性なんて保てるか!
そして綾ねえが湯船に入って向かい合う形になり、暫くして綾ねえが溜息をついた。
「春くん...そんな遠慮しなくていいのに。」
「はい?」
「私の胸に、おっぱいにおいで!」
「いきません!!!」
「色々考えてたみたいだけど、春くんの中...私とおっぱいでいっぱいになってるよ...素直になればいいのにぃ。」
「知りません。」
「あはは...そういえば明後日はふーちゃんに会いに行くんでしょ?」
そうだったな...。
俺の妹...
風香がいる場所は本来犯罪者が入るべき監獄だが、その能力があまりにも危険と判定された場合にはその限りではない。
風香は特別だ...危険度は文句なしの最大評価Sランクの特能者、ちなみに監視員が派遣される基準はBランク以上。
俺の能力はBランク判定らしい、まあ視界をサングラスで覆えば問題ないしな。
「でも春くんの能力って、最後までAランクかBランクか審議されてたんだってさ。」
「あれ?そうなの?」
「うんうん...能力の査定には判断基準があって、春くんの場合は対処しやすい能力だからね。」
確かに...実際に使った事はないけどもし発動条件が無かったら......。
凄い事になってただろうな......。
「あー...変な妄想してる。」
「違うよ、ちょっと考えただけだって。」
「そんな妄想より目の前のおっぱいを見なさい。」
「だからいいって!」
「はいはい、でも良かったね春くん...。」
「何がですか?」
急に声のトーンが真面目に変わり、綾ねえはじっと俺の目を見つめている。
「もし春くんの能力がAランクだったら...。」
「だったら?」
「その両目...潰されてたよ。」
......。
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