【純粋な告白と下心は谷間に】
彼女の名前は
身長は150cm後半くらいで綺麗な長髪が特徴的、普段はクラスメイトの
正直あまり絡んだ事はないし、ただのクラスメイトだと思っていた。
「えっと...。」
いきなり断るのも傷つけるだろうし、なんて返したら良いだろうか...。
「聞いていい?...俺のどこが好きなの?」
「その...えっと......。」
彼女は目線を逸らすと下を向いて俯いてしまった。
暫く続く無言の時間...気まずい...。
そして俺は後ろから綾ねえの視線をひしひしと感じていた。
「金丸君っていつもサングラス付けてるでしょ?」
「ああ、うん。」
「何でかな、ってずっと思ってたの。」
そう...俺は特注のサングラスを常に付けている。
それは俺の能力が関係する、もし目を見られてしまったら大変な事になるからだ。
「それで金丸君の事が気になってずっと見てたの...そしたら金丸君の良い所がいっぱい見えてきて......。」
「そうなんだ......。」
何か照れるな...人に褒められる経験なんてなかったし、それに中学生まで女の子と話す機会なんて殆どなかったからな。
告白されてから改めて南茂さんを見ると、胸を両手で抑えるしぐさや唇を噛み締め緊張している様子など、改めて可愛く見えてきた。
「この前...沢田君がお金を落とした時も一緒に拾ってあげてたし、岸本さんが体調不良の時も先生を呼んできてくれたし......私はそんな優しい金丸君の事が好きになっちゃいました!」
「あ、うん...。」
女の子って、そんな理由で人を好きになるのか。
てっきりイケメンとかスポーツができる人を好きになると思ってたけど...違う人もいるんだな。
「えと...答えはまた今度でいいかな?」
「あ...はい!」
「まだ南茂さんとはあんまり話した事ないし、もうちょっとお互いを知ってからというか...。」
「あの、一つだけ聞いてもいいですか?」
そう言うと南茂さんは俺の目を見て両腕に力を込めた。
「今...他に好きな子とかいないですよね!?」
「そう...だね、今は特別好きな人はいないかな。」
「わかりました、金丸君に好きになって貰えるように頑張ります!」
そして......放課後の帰り道......。
いつもなら積極的に話かけてくる綾ねえが無言のまま俺の横を歩いていた。
「あの、綾ねえ?」
「何?」
「さっきの事なんだけどさ...。」
「何か?」
綾ねえは顔を合わせる事なく横を歩く。
これもしかして怒ってる?
「当たり前でしょ。」
「うっ...。」
「キッパリ断わらないと、あの子の気持ちを組んで黙ってたけど。」
確かに俺が女の子に近づくのは危険だけど、彼女は俺の能力に関係なく好きになってくれた初めての子だから...。
「それに嘘ついたよね。」
「え?」
「本当は......私の事大好きなくせに。」
「な、それはっ!?」
好きとか嫌いとかこんな可愛い人がいつも一緒にいたらそういう感情になっちゃうし、それに綾ねえは...。
「なあに?」
「えっいや...。」
「あ...またエッチな事考えてる、いけないんだぁ。」
「やめて!ストップ!」
「あ...春くんドキドキしちゃってるんだね、可愛いねぇ。」
こうして俺は家に帰るまで綾ねえに弄られ続けた。
その様子を後ろで見ている者の存在に気付く事もなく...。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます