　「お前って、頭悪いんだな。」

　気づいたら、そんなことを言っていた。

　「……え？」

　当然の反応だ。姿形も見えない、心に語りかけてくる神と名乗る謎の存在から、いきなり“頭悪い”というレッテルを貼り付けられたのだ。

　「頭がいいなら、暴言なんかに頼らなくても、他にやり方は沢山ある。暴言に頼るやつはそれが出来ないからだ。」

　「へー、残念。私勉強出来るんだー。」

　「そうか。勉強が出来る＝頭がいいと思い込んでいるお前はやっぱり頭が悪くて、自分の頭の悪さも自覚できない真の“バカ”ってことだな。」

　「は……？　もう１回言ってみろよ……」

　「あぁ。何度だって言ってやるよ。お前は、自分の頭の悪さも自覚できない真の“クソバカ”だって言ってんだよ。」

　そう言った瞬間、彼女は黙った。

　何かを考えるように、顎に手を当てている。

　俺の言葉がそんなに効いたのか……？

　「……ねぇ。」

　「……なんだ？」

　暫くすると、彼女は口を開いた。その顔は怒っているようには見えず、寧ろ少し高揚しているようだった。

　「……もう1回言ってくれない？」

　「……あ？」

　何言ってんだこいつ……

　「……お前は、自分の頭の悪さが自覚できない“クソバカ”だ。」

　再び罵ると、彼女は顔を更に赤くした。

　「……その、もう1度……」

　え、まさかカナってドMなの？！

　　　　　　　　　　★新属性判明☆

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）

新規登録で充実の読書を

マイページ: 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる; 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める; フォローしたユーザーの活動を追える
通知: 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴: 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい