第4話 正気か?
「おい、テメェ!そこどけよ!」
「や、やめ!やめたほうがいいどう考えても!」
僕を押しのけて助手席から出ようとする男を、僕はなんとか引き留めようとする。
しかしながら、悲しいかな、非力な僕は恰幅の良いその男に、アッサリ負けてしまった。
走行中の車から無理やり飛び降りて、女がいるその場へ走る男はどうみてもおかしい。
正直、このまま捨てて走り去ってもいいが、そうすると車を盗んだことになってしまう。
やめろ、戻ってこいと声をかけ続ける僕を無視して、恰幅の良い男はトンネルの中へ入っていってしまった。
「……っ、おい、待て!クソ、車を出してくれ!」
車で追いかけようと僕が指示をするも、隣の青年は鍵をガチャガチャと触るだけで、エンジンをかけようとしない。痺れを切らして彼の手を退かしてエンジンをかけるが、うまくかからない。所謂、お決まりのやつ、というところか。
「まぁいい、行くぞ!何をボサッとしている、君もだ!」
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