第10話 コンダクター
二〇一七年。彼女の話は、その頃のものであった。当時、俺も藤乃も中学二年生。中学生活に怖気づくことはなくなり、高校受験に怯えることもないゆえに、中学二年生は気が弛む時期と言うが、強ちそれは間違いではないのだろう。城北中学校の同級生らも、皆ふんわりとした空気に包まれており、俺も例にもれず、何も考えずに淡々と毎日を送っていた。
藤乃は「合唱コンクール」という言葉を口にした。城北中学校で全学年合同で行う行事の一つに、毎年秋に各クラス自由曲と課題曲の二つの合唱曲を歌い、その点を競い合うというものがあった。
また、藤乃の話には彼女本人に街にもう一人、重要な登場人物がいた。それが
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます