第5話
05話
「は?」
おい、社長。俺が一から説明していただろ?
真剣な表情でムムムと眉間に皺を寄せて聞いてる感じだったのに、いきなり客に対して『は?』は、ねーだろ?
俺の説明を聞いて無かったのか?
まぁ、カスタムショップの社長には無理を言って、ベ○スキャンプ16Xが置いてあるディーラー店にまで来て貰ったから、怒らんけど……。
「えっと、だからですね。ハ○レーには水平方向の力だけを問題にしたいので、車体前方のこの付近に垂直方向に過重が乗るらしく、連結するこの場所付近にですね、タイヤを付けて貰えましたら垂直方向の力をタイヤがですね……」
「いや、その問題解決の方法は分かるよ」
「でしたら次の問題ですよね。ブレーキの問題なんですけど、牽引車がブレーキを踏むと、牽引車とトレーラーが磁石の様に引っ付く感じになりますよね?自動車事故の言葉のオカマと言いますか……ですから、新たに付け加えたタイヤに、その引き寄せ合う力を利用してこういう感じにですねブレーキのシステムを……」
「いや、その問題解決の方法も分かるよ」
「でしたら最後の排気量つまりパワー不足の問題ですよね?新たに付け加えたタイヤにですね、電気自転車みたいに電気の力でパワーをアシストすれば、ハ○レーの排気量不足も解決するんじゃないかと思うんですよ……もちろんブレーキ時にはアシスト機能が切れる感じで……あ、前に走るだけですけど、自走出来るなら自走しても良いかもしれませんね。ある種の電気自動車みたいな……」
「いや、その問題解決の方法も分かるし、そこじゃない」
「あー、この付近にタイヤを何個か付け加え電力でパワー不足を補うなら、その電力をどっから持って来るんだ?って話ですよね?たぶんですね、タイヤを何個か付け加えたら垂直方向の過重以上に重さを支えれると思うんですよ。ですから、その上に物置みたいなのを作ってですね、もちろん物置はベ○スキャンプ16Xと同じ銀色に輝くアルミボディでして、窓よりも下の高さで、ここからここまでのスペースが空いてますから、その空いてるスペースに発電機やバッテリーなどを置けれる様にすればですね……」
「だから問題はそこじゃない!!」
「えっと、何か他に問題がありましたか?あ、物置を作ったら連結部分が隠れる話ですか?そこでしたら簡単な話で、連結部分を長くする様に新たに作ってですね……」
「違う!!……お前さん、改造費用はいくらを予定してるんだ?」
「え?さっきも言いましたけど、一億を予定してますよ?足りなければ、言ってください。もっと出します。あ、もちろん別途に技術代金は支払いますので、最高級の品質を……」
「そこだよ!そこ!一億って何だよ!?小型のキャンピングトレーラーのカスタムに、一億もかけるとか初めて聞いたよ!!しかも技術代別途で一億かよ!!」
え?そこ?
そこを気にしてるの?
ベ○スキャンプ16Xに一億かけてカスタムするの、そこまで高くはないと思うんだけど……。
だって、こんなに美しいんだぜ?
それにハ○レーと連結して動くなら、ロマン溢れる旅になると思うんだよね。
「あー、数ヶ月後にはアフリカに行きますので、それまでに、いえ、なるべく早く完成させて欲しいんですよね」
「俺の知り合いを総動員して、カスタムするよ!!アイツらの分も、きちんと別途に技術代金を貰うからなっ!?」
「人も呼んでくれるんですね。ありがとうございます。あ、そうだ。内装の変更もいくつかお願いしたいのですが……」
「分かった分かった。お前さんの情熱は分かったから、実現出来ることは何でもしてやる。好きに言ってくれ」
「ありがとうございます。じゃあ、まずは内装のここですけど、ここにですね棚を作り、大型テレビをですねこういう風に……」
俺はカスタムショップの社長が呆れるくらい、2時間ほど熱く外装と内装の変更を語った。
イメージ通りに出来るのか、今から楽しみだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます