発見

 宇宙連邦警察にはロバートが連絡をいれた。

 3Dホログラムで現れた担当者は、ライル博士のやる気のなさについての話をしたあたりであきれた様子だったが『宇宙時間で二十四時間しか待ちませんからね、それが終わったら星間ワープ検問を始動します』と言った。

 ライル博士は偉人として扱われているし、現在でもAIが彼の行っている研究を越えられない、特異点のような存在なのだから要人として特別扱いするしかないのである。

 数世紀前まではどんな天才も老化という避けられない現象のせいでその研究を理解して引き継ぐ者がいなければ空白期間が発生していた……と、ロバートはスクール時代の歴史の授業を思い出していた。

 ラボに戻るとロバートとタカコは意外にもあっさり、アルビーの手紙の入った封筒をを見つけることができた。

 それはまるで二人に読ませようとわざとわかりやすい位置に置いてあるかのようであった。

 そして、手紙の入った封筒には、二人が見落としていた驚きの一文を見つけた。


『親愛なるライル博士へ

そしてその助手ロバートとタカコへ』


 見逃していたが封筒のすみについでのように小さな文字で書かれていた。


「……ライル博士への当て付けだろうけど、これで人の手紙を勝手に読んだとは言われなくてすむな、それにしても、アルビーさんは本当にアンティーク趣味だったんだな」


 ロバートはタカコに向かって言う。


「私も手書きの手紙なんてみたのはスクール時代の一般教養以来……」


 タカコもそれにこたえる。


「文字という形に残したいだけならAIオペレーター使った方が早いしな、アンティーク趣味といっても、ほらなんだっけ、キーボード?がついたパソコン?だっけは愛好家が結構いるらしいけど」

「とりあえず、読むのには気合いがいりそうね」


 二人は内容を確認するため手紙を読みはじめた。

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