散歩の七百四十話 不穏な情報

 僕が頼んだものは直ぐに揃ったのだけど、スーたちはまだまだお菓子選びに熱中していました。

 というか、アヤとアイも一緒になって凄い量のお菓子を選んでいるのだけど。

 そして、ジョディーさんとノア君の新しい服も選んでいました。

 こうして、僕が買い物を終えてから一時間後にようやくスーたちの買い物が終わりました。

 しかし、まだまだ買い物は終わりません。

 今度は、市場に行って更に買い物を続けます。


「えーっと、これとこれと、これもお願います」

「シロはね、これも欲しいんだよ!」


 何というか、商会での買い物は一体なんだったのだろうかというレベルで再び爆買いを続けていました。

 僕はというと、カレーに使う香辛料やまんまる焼きに使う小麦粉などを購入していた。

 パンもいくつか購入して、これで買い物は完了。

 でも、スーたちの買い物はまだまだ続くので、僕も側で見守ることにしていた。

 こうして、市場で更に一時間をかけてようやく買い物が終了。

 屋敷に帰ると、スーは先代夫人様にあるものを手渡した。


「屋敷のお子様のために、お土産を買ってきました。後でお渡し下さい」

「まあ、わざわざありがとうね。確かに受け取ったわ」


 先代夫人様もにこやかにプレゼントを受け取っていたけど、中は商店街で売っていたお菓子やまんまる焼きだった。

 今は昼食前だから食べられないけど、おやつの時間になれば一気に無くなっちゃうでしょうね。

 こうして、スーにとっての準備も完了しました。

 その後、マグカフさんが僕に話をしたけど、ちょっと気になる情報が入っていました。


「帝国で開戦派と言われる過激なものは人族なのですが、その裏側に怪しい組織がいる可能性があると連絡が入りました」

「もしかして、人神教の可能性もあるってことですね」

「恐らくは。過激派は皇帝陛下の人種を問わない統治にも反対しているので、シュン様たちが帝国に入った段階で何かよくないことを起こす可能性もあります」


 実際にどんな人なのかは会ってみないと分からないけど、陛下からも注意されていたし間違いなく面倒くさい連中でしょう。

 僕たちは訪問団なので特に帝国に何かを要求することはないけど、その連中が僕たちにいちゃもんをつける可能性は十分にある。

 そもそも国外に行くわけだし、十分に気を付けるに越したことはないですね。

 アオも一緒に話を聞いて貰っているので、きっと大丈夫でしょう。


「辺境伯領では、このお菓子も美味しいのですよ」

「そうなんですね、ぜひ明日買いに行きますわ」


 そして、スーは先代夫人様から新たなお菓子の情報をゲットしてとても喜んでいた。

 間違いなく、明日も町に繰り出すことになりそうですね。

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