散歩の七百三十九話 おやつは絶対です!
翌朝、僕のベッドにはシロとホルンとヴィヴィが潜り込んでいた。
ホルンとヴィヴィはともかくとして、相変わらずシロは寝相が悪いなあ。
毛布を被せてから身支度を整えていると子どもたちも起きてきたので、そのまま着替えさせます。
「現在調整を行っておりますが、三日後にこちらを出発となるでしょう」
朝食時に帝国事務官のマグカフさんが日程を教えてくれたけど、予定通り花見祭りの後直ぐに出発となった。
なので、二日間で出発の準備を整えることになった。
といってもほぼ揃えるものはないんだけど、スーと子どもたちにとってなくてはならないものがあります。
「「「おかし! おかし!」」」
既にマジックバッグの中には大量のおかしがあるんだけど、東の辺境伯領名産のおかしを買うと既に着替えて準備していた。
これには、他の人たちも苦笑するばかりだ。
調整は随行員とマグカフさんがやってくれるそうなので、僕はアヤとアイとともに町に繰り出した。
「凄いね、まだ人がいっぱいだよ!」
「今年は、もう少し花が咲くのもあるんだろうね」
「そーなんだね!」
花見期間中若干寒かったのもあったのか、今年はまだ少し咲いていた。
しかし、よく見ると観光客が手にしていたのはお土産ばかりだ。
もう、興味は花より団子に切り替わっているのでしょう。
そんな町中を進んでいき、商店街に到着しました。
そして、実行委員長の商会に到着です。
「皆さん、おはようございます。昨日までありがとうございました」
店頭ではサマンサさんが会計をしていて、僕たちにお礼を言ってきた。
サマンサさんとしても、花見祭りが無事に終わってホッとしたのでしょう。
そして、店内は多くの観光客で混雑していた。
「すみません、お菓子とかを見せてもらいますね」
「あー、そういえば帝国に行くんですよね。スーさんはともかくとして、シュンさんも随行員だとすっかり忘れていました」
うん、僕も暫く料理ばっかりだったからサマンサさんが苦笑していっていることもよく分かります。
そして、スーたちは慣れた足取りでお菓子コーナーへと向かっていった。
僕は、あらかじめリストアップしていたメモをサマンサさんに手渡した。
「これをお願いします。あと、ポーションも幾つか頼みます」
「シュンさんは、相変わらずしっかりしていますね。直ぐに用意します」
サマンサさんは、メモを確認してから他の店員に注文を指示していた。
その間僕は店内で待っているけど、「料理人のあんちゃん」などと声をかけられていた。
うん、もう事実だから否定できないよ。
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