散歩の七百二十八話 今日はみんなで就寝
その後も不審者を何人か捕まえたけど、全員人神教関連者で人族だった。
中には下手くそな変装をして獣人になりきっていたのもいたけど、一般人に不審者だと引きずられてきていた。
そして、怪しい飲み物や食べ物を配っているものがいると周知してもらった。
その結果、住民にも怪しいものがいると広まっていった。
口コミって、案外馬鹿にならないんだよね。
こうしてなんとか一日目が終わり、兵の巡回を強化してもらいながら屋敷に戻った。
「はあ、疲れた。主に精神的に……」
「シュンさんはずっと魔法を使っていましたから。お疲れ様です」
応接室にみんな集まっているけど、僕とアオはソファーにもたれかかりながらぐったりとしていた。
というのも、探索魔法を使って常に周囲の人の状況を確認していたからだ。
お陰で魔法の勉強にはなったけど、精神的疲労感が半端なかった。
屋台の方の売上は上々で、幸先の良いスタートが切れたという。
子どもたちも大盛り上がりで、とても楽しかったらしい。
「となると、後はあの連中をどうにかするしかないですね。簡易聴取だと、祭り会場の混乱を狙ったとしか分からないですし」
「人神教が健在だとアピールするには、少し弱い材料だ。何にせよ、暫くは巡回を強化するしかないのう」
先代様も腕を組みながらどうしようもないと唸っていたけど、この辺は兵にお任せですね。
というか、花見祭りを台無しにしようものなら、実行委員長をはじめとした面々だけでなく町の人も怒るはずです。
ということで、この後はお風呂に入って夕食を食べてのんびりするだけです。
僕たちは客室に移動して、ゆっくりお風呂に入りました。
そして夕食も食べて後は寝るだけになったのだけど、ここで本日最後のイベント発生です。
ドタドタドタ、ガチャ。
「「「お兄ちゃんと寝る!」」」
なんと、屋敷で保護されている子どもたちが僕のいる客室に入ってきたのです。
大きなベッドとはいえ、既にフランとホルン、それにヴィヴィが寝る準備を整えています。
それなのに、遠慮なくベッドの中に入ってきました。
うん、ギューギュー詰めとはこういうことなんですね。
しかも、僕が真ん中にいるので動けません。
「「「すー、すー」」」
更に日中張り切ったからか、子どもたちは僕にくっついたままあっという間に寝ちゃいました。
かくいう僕も、もう眠気が限界です。
枕元では既にアオも寝ているし、僕もいつの間にか寝ちゃいました。
明日から平和な祭りになって欲しいと切に願っています。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます