散歩の七百八話 やっぱり屋台をやることに……
そして、本当に直ぐに応接室のドアがノックされて、花見祭りの実行委員長が部屋の中に入って来た。
「おお、シュンとスー、それにシロとアオもいるのか。元気にしていたみたいだな。はは、何だ? スーはお姫様みたいな格好をしているなあ」
「お久しぶりです。今日は王女として来ておりますので、冒険者服ではなくこんな格好です。実行委員長も相変わらずですわね」
「ははは、分かってて言ったぞ。そういえば、王都で娘が世話になったみたいだな」
うん、なんというか相変わらずのやり取りです。
事前に話を聞いていたから随行員も平然としているけど、時代が時代なら実行委員長の発言は打首獄門だろうな。
そして、どっかりとソファーに座ったら、いきなり話し始めた。
「まあ、スーは仕事があるだろうからどうしようもないから、シュンだけ貸してくれれば良いぞ。祭りが始まる前から、去年やっていた屋台は出るのかって問い合わせが凄いんだ」
「夜戻ってくるのでしたら、構いませんよ。その間、私と皆さんで帝国に行く調整をしますので」
「おお、それは大丈夫だ。時間厳守でやるからな」
あれあれあれ?
僕の意見なんてないかのように、あっという間に話が決まってしまった。
というか、示し合わせたように大人たちが全員頷いているよ。
これは、スーが随行員と一緒の馬車に乗っている時に調整していたんだ。
僕は、思わずガクリとしちゃいました。
「そうそう、今年は最初から子ども屋台も出すぞ。昨年とても好評だったからな。キチンと報酬も払うぞ」
「「「やったー!」」」
シロを含む子どもたちは、思わず飛び跳ねるほど大喜びです。
まあ、こちらは最初から決まっていたのでしょうね。
「スー、明日朝シュンたちを借りてもいいか?」
「ええ、大丈夫ですわ。歓迎会は今夜らしいですし、明日は何も予定がありません」
「ということだ。まだ準備だから、いきなりやるって訳じゃないぞ」
ということで、僕たちの明日の予定も決まってしまった。
どうも、今は帝国関連でやることがないのが一番の理由らしいです。
そして、あっという間に実行委員長は嵐が立ち去るかの如く帰っていきました。
十分も居なかったのでは?
「では、話はこれくらいにして客室に案内しよう。まあ、子どもたちはスーたちと一緒に寝たいだろうな」
「「「一緒に寝るー」」」
流石は先代様、良く分かっていらっしゃる。
シロたちも、元気よく手を挙げていました。
そして、客室に行ったら保護されている子どもたちもついてきました。
シロたちと、もっとお喋りしたいらしいですね。
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