散歩の六百八十四話 二人も参加しての教会の奉仕作業
こんな感じで冒険者活動をしつつ公務もこなすけど、今日はもう一つ大切なお仕事をします。
それは、教会での奉仕活動です。
積極的に奉仕活動するのは、住民にとっても王家にとっても意味のあることです。
なので、今後も積極的に行う予定です。
「しかしながら、あまり数多くやっても致し方ない。なので、ちょうど良い頃を見計らって行うのが大切なのじゃ」
「「はい」」
王妃様がジョディーさんとノア君に奉仕活動について説明しているけど、二人とも真剣な表情で話を聞いていた。
まあ、スーの義母であり実質この国のナンバーワンの権力者だもんなあ。
気持ちは分からなくもない。
その間に、僕はいつも通り炊き出しの仕込みをしています。
トントントン。
「シュンさんとシロちゃんは、予定通りに爵位を頂いたのですね。これからは、ヴィクトリー子爵様とお呼びした方が良いですか?」
「あの、リアーナさん、わざと言っていますよね?」
「ふふ、流石に分かりましたか。でも、お二人は叙爵されてもいつもと変わらないですね」
仕込みをしながら隣にいるリアーナさんが話しかけてきたけど、顔見知りになった貴族令嬢がこぞってわざと家名で話しかけてきた。
初めて来た人は普通に家名で言っていたけど、その横でからかっている人がいてビックリしていた。
僕は、いつも通りに呼んで欲しいし、シロも同じ思いだった。
そして、中には爵位を貰った途端に傲慢な性格になる人がいるらしいけど、僕たちはそんなつもりは全く無いもんね。
さて、そのシロはというと、まだ炊き出しを配る前なので遊撃班に加わっていた。
「シュンさん、お待たせしました」
「あの、シロさんは何をしているんですか? フランもですけど……」
すると、王妃様との話を終えたジョディーさんとノア君が僕のところにやってきた。
うーん、なんと説明したらいいのやら。
「シロとフラン、そして馬は鑑定が使えないのに勘で悪意のある人を見抜くことができるんです。奉仕活動には多くの人が並ぶので、安全に活動できるようにしているんですよ」
「まあ、そうだったんですね。確かに、あのお馬さんは凄いですわ」
「馬なのに、とても頭が良いんだよね」
暫く僕たちと一緒にいたからか、二人はあっさりと目の前で起こっている事を受け入れていた。
順応がとても早くて、僕も助かります。
すると、二人を取り囲むように貴族令嬢が集まってきた。
僕たちの新しい仲間に、もの凄く興味津々です。
「わあ、とても綺麗な毛並みですわね」
「とても凛々しいのに、とても可愛らしいですわ」
「あっ、ありがとうございます……」
ジョディーさんは、褒め慣れていないのか顔を真赤にして俯いていた。
そんなジョディーさんの姿を見て、貴族令嬢は更にキャーキャー言っています。
しかし、ノア君の方はもっと凄かった。
「あの、その……」
「耳も尻尾もふさふさで、とても気持ちいいわ」
「こんなに可愛らしい男の子に、今後は毎回会えるのですわね」
「お姉さんが、ノア君をぎゅっとしちゃおうかな?」
沢山の女性に囲まれてもじもじしているノア君に、貴族令嬢がメロメロになっていました。
中には、短パンハアハアという怪しい声も聞こえたけど、概ね問題なさそうです。
ノア君が僕の方を見て助けてと訴えているけど、僕には貴族令嬢を止めることはできません。
こうして、王妃様がやってくるまでノア君はずっと貴族令嬢に囲まれていました。
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