散歩の六百八十三話 今日は普通に冒険者の依頼を受けます

 公務を行いつつ、今日は冒険者として働きます。

 王都の商店街に空き店舗が出来たらしく、業者と一緒に荷物運びと店内清掃のお仕事です。

 冒険者ギルドで受付をして、早速現地に向かいます。


「「「「おはよーございます!」」」」

「おお、やってきたか。ははは、ねーちゃんたちだったか」


 業者は、なんと屋敷に荷物とかを搬入してくれたことのある人たちでした。

 スーが王女殿下だということも、僕たちが冒険者だと言うのも知っているので、とてもやりやすかった。

 ではでは、さっそく荷物搬出を始めます。


「うんしょ、もっと持てるよ!」

「わあ、シロちゃんは力持ちなんですね」


 荷物運びはお任せのシロが、とっても張り切って荷物を運んでいた。

 ジョディーさんも、身体能力強化を上手に使えば重いものも軽々と運べますよ。

 同じく荷物運びはお任せのフランも、とっても張り切っています。

 僕とスーも、ドンドンと荷物を運んでいきます。

 ここは二階に住居がついているタイプなので、二階からも荷物を下ろして行きます。


「よっしゃ、じゃあ、一緒について行ってくれ」

「「ヒヒーン」」


 業者の荷馬車の後を、幌馬車に沢山の荷物を乗せたうちの馬がついていきました。

 荷下ろしもあるのでシロとフランが馬車に乗っているけど、馬も普通に業者の荷馬車についていました。

 そして、ホルンとヴィヴィ、ノア君とアオは、店内を綺麗に清掃していました。


「生活魔法で綺麗にするのは、ある程度清掃してからだよ」

「「「はーい」」」


 流石にホコリまみれのところに生活魔法をかけても、効果は半減します。

 ある程度綺麗にしてから、各部屋を生活魔法で綺麗にしていきます。

 後は、床をワックス掛けしてお仕事完了です。


 パカパカパカ。


「荷下ろしも終わったよ!」

「終わったー!」

「「ヒヒーン」」

「シロちゃん、フランちゃん、お疲れ様ね」


 荷下ろし組も戻ってきたところで、今日の任務は完了です。

 ところで、空き店舗の借り手は決まったのかな?

 その答えは、業者が知っていました。


「家族経営の料理屋が入る予定らしいぞ。立地もまあまあだし、客には困らねーな」

「せっかくなので、繁盛すると良いですわね」

「「「「食べに行きたい!」」」」


 店内の備品などを揃えないといけないから、お店が回転するのはもう少し先ですね。

 でも、期待を膨らませながら僕達は冒険者ギルドに戻っていきました。


「スーさんは、普通の冒険者活動をしてらっしゃるのですね」

「護衛任務とかはできませんけど、逆にできるのが王都内でのこうした普通のお仕事なんですよ」

「立場上仕方ないですね。でも、尊敬します」


 帰りの馬車内で、ジョディーさんがスーに色々と話しかけていました。

 確かに、今できるのは普通のお仕事ばっかりなんだよね。

 護衛や遺跡発掘とかもしてみたいけど、フランたちもまだ小さいしこれからですね。

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