散歩の六百七十話 赤ちゃんの名前が決まったよ

「ふにゃふにゃ……」

「可愛いね」

「寝てるよ!」

「ちっちゃいよ」

「なんか言ってる」


 予定通り、スーは午後一で王城に向かっています。

 その間、ベビーベッドに寝かせられている赤ちゃんをみんなで囲んでいました。

 赤ちゃんは、ベリアさんからお乳をもらってスヤスヤと寝ていました。

 シロたちも、赤ちゃんを起こさないように小さな声で喋っています。

 因みに、スーが帰ってきたら赤ちゃんの名前を付ける事になっています。

 現時点では名前が付いていないので、鑑定しても名前のところは表示されません。

 でも、毛色がグレーなのでグレイと名付ける可能性が一番高かった。

 因みに、他の侍従もまたもやスーに赤ちゃんが生まれた時の良い訓練になると気にしていなかった。

 だから、皆さん気が早いと思いますよ。


「しかし、まさかもうおむつとかが大量に届くとは……」


 スーの実家のヴィクトリー男爵家や知り合いの屋敷から、保護した赤ちゃんにとおむつやタオルが届いていた。

 大量にあるので、ガイちゃんにも分けてあげています。

 こういうのは、幾らあっても助かります。

 僕たちも、お礼を言わないとならないな。

 そして、赤ちゃんの名前問題はスーが帰ってきて一気に決着しました。


 トトトト。


「ねえ、ブレアちゃんは?」

「「「「ブレアちゃん?」」」」

「そう、ブレアちゃん!」


 スーとともにジェフちゃんが走ってきたけど、ブレアちゃんって何のことか全員がはてなマークだった。

 すると、ちょっと苦笑しているスーがその名前の理由を教えてくれました。


「ジェフちゃん、赤ちゃんの名前をつけるってはしゃいでいたのよ。そして、何代か前の国王陛下の名前をつけたいみたいよ」

「そーなの!」


 ジェフちゃんもお兄ちゃんになるから、面倒見が良くなったのかも。

 そして、将来の国王陛下から昔の国王陛下の名前をつけられるって凄いことなんだよね。


「「「「ブレアちゃん!」」」」

「あうあう」


 シロたちも直ぐに名前を受け入れているけど、肝心のブレアちゃんはまだ生まれたてだから理解はしていないですね。

 そして、ジェフちゃんもベビーベッドの側にやってきました。


「すごーい、ちっちゃーい!」

「これから、少しずつ大きくなっていくのよ」

「そーなんだ!」


 ジェフちゃんはここ最近赤ちゃんに接する事が多いし、お兄ちゃんになるので興味津々です。

 そして、ブレアちゃんと名付けられた男の子が我が家の一員になりました。

 これから、無事にすくすくと大きくなって欲しいですね。

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