散歩の六百六十五話 みんなで楽しくお勉強?
僕は貴族としての仕事がないので、スーの補佐と冒険者活動がメインになります。
だけど、全く仕事がない訳ではありません。
ということで、今日は全員を連れて王城に来ています。
「えーっと、これはこれだ!」
「はい、よく出来ました。では、次にりんごを探してみましょう」
王城の一室で、僕はジェフちゃんに勉強を教えていました。
未来の王様に勉強を教えるのは半端ないプレッシャーなんだけど、こういうのは信頼できる人じゃないと駄目だそうです。
更にアナ様のつわりが酷くて、休んでいるのもあります。
ジェフちゃんはフランたちと同い年ってのもあるので、勉強はとても教えやすいのはありがたい。
読み書き計算の基礎を教えるだけでも、随分と違うそうです。
「うーん、うーん」
「うーん」
「できた!」
フランとヴィヴィは同じぐらいの学力なんだけど、やはりホルンは頭一つ抜けて勉強が出来ていた。
これにライバル心を燃やしているのが、他ならぬジェフちゃんです。
ライバル出現とあって、普段も勉強を頑張っています。
でも、ホルンも普通に勉強をしているので、今は一進一退の攻防です。
「シロも、意外と勉強は出来るんだよなあ」
「シロは力持ちだけじゃないよ!」
シロも、年齢に比べれば中々良い出来だった。
人に教えるのも上手だし、面倒見も良いんだよね。
因みに、ぶっちぎりでアオが一番頭が良かった。
この前官僚試験を試しに解いたら、僕よりも点数が上でちょっとショックだったんだよなあ。
僕もアオも、合格点は貰えるそうです。
面倒くさいので、官僚にはなりたくないけど。
そして、ある程度勉強を終えたところで、王太子殿下とスーが部屋に入ってきた。
「ジェフ、勉強は終わったか?」
「終わったけど、またホルンちゃんに負けちゃったよ……」
「ははは、そうか。なら、ジェフも頑張らないとな」
しょぼーんとしているジェフちゃんを王太子殿下が抱っこしているけど、計算のテストでホルンに負けちゃったんだよね。
ホルンはホルンで、書き取りテストでジェフちゃんに負けてスーに抱きついていました。
「フラン、ヴィヴィはもう少し頑張ろうね」
「「うー、勉強きらーい」」
フランとヴィヴィも決して頭は悪くないんだけど、ホルンとジェフちゃんの存在があるからこっちはこっちで凹んでいるんだよね。
ということで、頑張った人にはご褒美があります。
「じゃあ、昼食に一つお菓子を作ってあげるね」
「「「「やったー!」」」」
クレープをみんなで切り分ければ大丈夫だし、あっという間に元気になりました。
そして、全員で食堂に向かいました。
因みに、王太子殿下から仕事を手伝ってくれと言われてしまったので、午後は何故か王太子殿下の執務室で書類整理を手伝っていました。
僕たちにとって書類整理は西の辺境伯領での苦い思い出しかなかったけど、流石にそんな事はありませんでした。
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