散歩の六百六十四話 料理講座と武器講座

 屋敷で昼食を食べてから、再び冒険者ギルドに戻ってきました。

 ここからは、同じ訓練場だけど二手に分かれて作業を行います。

 まず、僕とホルンで行うのがこちらです。


 トントントン。


「猫さんの手で押さえて切るんだよ」

「こ、こうか?」


 ホルンが、厳つい男性冒険者に包丁の使い方を教えています。

 ここでやっているのは、簡単な料理講座です。

 女性冒険者が多いかなと思ったら、おっさん冒険者が数多く集まっていた。

 真剣にやってくれるなら、僕とホルンは誰が相手でも全然気にしないけどね。

 簡易的なかまどの作り方や、フライパンの使い方も教えます。


「うーんとね、こっちの武器の方が合っているよ」

「えっ、ショートソードですか?」


 その他のメンバーとアオがやっているのは、自分に合う武器講座です。

 初心者向けの講習の時に結構評判だったので、単科講座として行う事にしました。

 実際にどう使うかは、アオが丁寧に教えます。

 こちらは、女性冒険者と若めの人が多く集まっていました。

 中々良い感じにできていて、武器を勧めるシロ達に加えてスーも丁寧に指導しています。

 因みにここで扱っている武器は全部冒険者ギルド内の売店で扱っているので、講習後に直ぐに購入することも可能です。

 すると、スーが僕に声をかけてきた。


「シュンさん、武器を選び終わった女性冒険者が料理講座に参加したいと言っているのですけど、飛び入り参加でも良いですか?」

「「「いいともー!」」」


 あの、何で僕じゃなくて料理講座に参加していたおっさん冒険者が答えているのでしょうか?

 スーも思わず苦笑していたけど、このおっさんばっかりの中で真面目にやるなら問題ありません。

 ということで、料理講座に沢山の人が入ってきて中々の大盛況です。

 そして、武器講座の方も別の動きがありました。


「おお、ここにいたのか。売店のおっちゃんが、出張武器講座をやってくれって言っていたぞ」

「「「がんばるー!」」」


 訓練場に姿を現したゴーキさんの発現に、シロ達は諸手を挙げてやる気を示していた。

 ちょうど武器講習も終わったので、三人はそのままゴーキさんの後をついて行った。

 その代わりに、スーが料理講座に加わっていた。


「よし、これで俺達も女性にモテモテだ!」

「今度の野外の際が楽しみだ」

「「「うわあ……」」」


 残念ながら講習終わりに男性陣がやる気を見せすぎているので、女性陣はドン引きしていました。

 何事にも程々にですね。

 そして、シロ達はというと物凄い勢いで武器を売っていたので、臨時ボーナスが出てほくほく顔だった。

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