散歩の六百六十話 みんなへの勲章授与式

 翌朝、僕たちは王宮に行くために準備をしています。

 フランたちの保護者としてついていけば良いので、ある意味楽ですけど。


「よし、これでいいかな?」

「おー、ホルン可愛いね!」


 今は、ホルンの髪を編み込んで綺麗にセットしたところです。

 フランとヴィヴィの髪も綺麗にセットしたので、これで準備完了ですね。

 シロもついていくので、ドレスに着替えていました。

 全員玄関に向かうと、着替えを済ませたスーとこちらもドレスを着たマヤさんとセラさんの姿がありました。

 二人とも、ドレスがよく似合っていますね。

 準備が整ったところで、早速王宮に向かいました。


「皆さま、お待ちしておりました。会場にご案内いたします」


 王宮に着くと、早速係の人に案内されました。

 今日は人数が多いのと陛下は参加しないので、王宮内にある広間で勲章の授与をするそうです。

 会場に着くと、既に他の冒険者たちが着いていました。

 自称商会の看板娘のサマンサさん以外は、冒険者服で来ていますね。


「いや、シュンさん、私は紛れもなく冒険者じゃなくて商会の看板娘なんですけど……」


 サマンサさんが何か言っているけど、今回は冒険者としての功績なんだよね。

 ということで、早速勲章の授与式を始めます。

 勲章を与えるのは、王族としてスーが行います。


「それでは、この度の王都における闇組織レッドスコーピオンが引き起こした騒乱に対して鎮圧などの活躍をされた皆さまへ、功績を称えて勲章を授与いたします」


 こうして、順番に勲章が与えられて行きました。

 何気にアオにも勲章が与えられたけど、功績を考えると全く問題ないんだよね。

 式典自体は三十分もあれば終わり、応接室で話をする事になりました。


「すみません、父と兄は公務が忙しくて対応できずに」

「いやいや、スーも王族だから何も問題ないよ。それに、キチンとしていたし」


 ディアナさんの言う通り、僕も特に何事もなく普通に終わった気がする。

 貴族の立ち合いは僕とシロで十分だったみたいだし、余計なちょっかいを出すのもいません。

 というか、余計なちょっかいを出そうとする奴は昨日捕まっているけど。


「そういえば、シュンは貴族として何をやるんだ?」

「うーん、特に冒険者の時からやることは変わらないと思うよ。スーのフォローをしつつ、各地を回ると思うし」

「そういえば、帝国に行くのは決まっていたな。どうせ帝国に行っても、何かしそうだな」


 ダンよ、流石に国外に行ってまで何かをするつもりはないよ。

 そんな話をしつつ、解散となりました。

 今日はこの後は何も予定がないので、屋敷に帰ったらゆっくりしていよう。

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