散歩の六百五十八話 屋敷に冒険者が集まります
「こんにちは」
「「「「いらっしゃーい」」」」
夕方前になると、王宮前広場での戦いで活躍したジジ達が屋敷に到着しました。
全員を応接室に案内すると、ワイワイとお喋りを始めていました。
でも、座る場所は見事に男女に別れていますね。
スーもシロたちも、女性陣に加わって楽しそうにお喋りをしています。
そんな中、僕は厨房で夕食の準備の手伝いをしています。
といっても、やっているのは野菜や肉を切ったりするだけですけどね。
トントントントントン。
「あの、どうしたらシュン様みたいに上手く野菜を切れるようになるのでしょうか?」
「うーん、僕の場合は手伝いで沢山こなしたので、やはり練習でしょうか」
「そうだそうだ。誰だって最初は上手くいかないぞ」
人数が多いので他の侍従も料理を手伝っている中、僕だけでなく料理長もべリアさんに声をかけました。
因みに、べリアさんの赤ちゃんはアヤとアイと共にスー達が面倒をみています。
僕も料理の準備を終えて応接室に行くと、ゴル以外の男性陣が何故かショックを受けて言葉を発せずに項垂れていた。
女性陣も、サマンサさんは真っ白に燃え尽きていました。
状況が全然分からないので、笑顔で赤ちゃんを抱っこしているスーに話を聞いてみました。
「その、項垂れている人はガイちゃんを抱っこしたら大泣きされてしまった方です。他の方は全く問題なく抱っこされていたのですが……」
「単純に抱き方が下手なだけだろう。おっかなびっくりしながら抱っこすれば、赤ん坊も怖がるってもんだ」
ディアナさんが苦笑しながら沢山の人が項垂れている理由を教えてくれたけど、赤ちゃんは色々な気配に敏感だからなあ。
現にスーに抱っこされているガイちゃんは笑顔で手足をバタバタさせているし、機嫌が悪そうな様子はありません。
そんな中、アオがぴょんとガイちゃんに飛び乗りました。
そして、触手で僕の事をちょいちょいと呼び寄せました。
ああ、これは間違いない。
「スー、ガイちゃんのおしめを交換しよう」
「アオちゃんは、本当に気が付きますね」
スーからガイちゃんを受け取ると、部屋の端に下ろしたらアオがガイちゃんのおしめを替え始めた。
その手さばきは素早く、あっという間におしめの交換を終えていました。
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