散歩の六百五十七話 ヴィクトリー男爵家に挨拶に行きます

 僕たちも解散となり、王宮の玄関に向かいました。

 すると、頑張ってニコニコしているフランたちと馬がいました。

 馬の上に乗っているアオがちょっと苦笑しているけど、まあ相手は闇組織の人間なのでちょっとくらいやりすぎても仕方ないでしょう。

 マヤさんとセラさんも十分に活躍したみたいだし、冒険者の功績もかなり大きいですね。


「王宮での新年の挨拶も終わったし、昼食を食べたら叔父様のお屋敷に行きましょうね」

「「「「はーい」」」」


 王宮での挨拶が終わったら、関係のある貴族家に行くことが多いという。

 まあ、スーは実家に挨拶に行くのが普通ですね。

 因みに、シロたちはケインちゃんにも会いたいみたいです。

 先ずは、昼食を食べて戦いの疲れを癒しましょう。

 ということで、馬車に乗って屋敷に向かいます。


「シュンさん、他の冒険者たちも夕食時に来るんですよね」

「頑張ったお礼をしてあげないと。あと、報酬の件で報告があるんだよ」

「「報酬?」」


 実は、以前から夕食にジルたちを誘うことになっています。

 そして、陛下から報酬の件で話がありました。

 マヤさんとセラさんは何だろうと疑問を浮かべていたけど、悪い話ではないので夕食まで待ってもらいます。

 そして屋敷に着いて昼食になると、フランたちのお喋りが止まらなかった。


「あのね、変な奴をやっつけたよ!」

「浄化魔法を頑張ったよ」

「ヴィヴィも、浄化魔法を頑張ったよ!」

「分かったから、昼食を食べようね」


 自分がどれだけ頑張ったかを一生懸命に話すのは嬉しいのだけど、食事が冷めちゃうから早く食べちゃいましょう。

 確かにフランたちはとっても頑張ったので、夕食時にご褒美をあげましょう。

 そして、着替えをしてヴィクトリー男爵家に向かいました。

 マヤさんとセラさんも誘ったけど、二人は遠慮してついてきませんでした。


「むにゅむにゅ」

「わあ、とっても可愛いよ」

「ちょっと大きくなったのかな?」

「ヴィヴィの指を握ったよ!」


 ヴィクトリー男爵家の応接室に案内されると、フランたちは早速セーラさんに抱っこされているケインちゃんの側にいました。

 そんなちびっ子たちのほっこりする行動に、みんなもニッコリです。


「お義姉様、体調は如何ですか?」

「ええ、とっても良いわ。ケインがぐっすりと寝てくれるのが大きいわ」


 ガンドフさんとブレッドさんはまだ騎士団の王都巡回中だけど、そこは僕たちも織り込み済みです。

 そして、僕はとあることをセーラさんに聞いてみました。


「セーラさん、僕がヴィクトリー子爵を名乗って何か問題はありますか?」

「何も問題はないわ。というか、スーとの結婚式の頃には伯爵家になっているはずだし、ヴィクトリー男爵家としても縁戚として名誉なことよ」


 あの、子爵になったばっかりなのだから、流石に伯爵というのは気が早いと思います。

 その後も主にケインちゃんが話題に中心となり、賑やかに過ごしていました。

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