散歩の六百三十三話 様々な予定が決まります

 続いて、僕とシロの件に話が移った。


「二人は、スーと一緒に早朝に王城に来るように。叙爵の式典をして、その後王宮に移動する」

「シュンが子爵で、シロちゃんが名誉男爵で決定よ。本来ならアオちゃんも名誉男爵で良いのだけど、スライムに爵位はありえないと半袋する者もいたわ。代わりに、後日勲章を与えるわ」


 アオが爵位を貰えないのは仕方ないかも。

 人族や亜人に限るとか、制約がありそうです。

 すると、マヤさんとセラさんがはぁーって感じで僕を見ていた。


「シュンさんたちが各地で成果を上げていたのは知っていますけど、冒険者も頑張れば貴族になれるんですね……」

「しかも、スーさんの正体を知る前に大きな功績を上げて独力で貴族になったんですよね」

「過去にも冒険者から貴族になった者はいるが、それは何年も功績を積み上げてきた。シュンみたいに、僅か一年で比類なき功績を上げた者は過去に例はない」

「「はぁー」」


 僕の場合は、各地の辺境伯様に直接会えた上に闇組織レッドスコーピオンの存在もあったもんなあ。

 実力的には、まだまだこれからだと思うよ。


「続いて、年末の炊き出しだ。これは、大教会前で行う。と言っても、やることはいつもと変わらない。シュンとスーの知り合いの冒険者にも声をかけている。できる限り、不審者を捕まえたい思惑がある」

「もちろん、二人にも参加して欲しいわ。人は多い方が良いけど、信頼できる人でないと駄目なのよ。その点、二人はシュンとスーの教え子だもんね」

「期待に応えられるように頑張ります」

「全力を尽くします」


 王妃様も炊き出しに参加するから、その点からも信頼できる人でないと駄目だろう。

 そして、これまたうちの馬に頑張って貰わないと。

 とりあえず話は終わったので、僕たちは王城から屋敷に戻ることにしました。

 馬にさっきの話をすると、馬は任せろといなないていました。


「予定よりも早く終わったから、薬草採取でもしに行く?」

「「「「行くー!」」」」


 シロたちが元気よく手を挙げたので、屋敷に戻って着替えてからいつもの森に向かいます。

 もちろん、マヤさんとセラさんも一緒に向かいます。

 すると、商会にいるはずのサマンサさんたちも冒険者ギルドにいました。


「あれ? どうしたの?」

「今日は、商会の手伝いも休みだから簡単な依頼を受けようとしたのよ」

「簡単な依頼っていうと、ブチイノシシを倒すの?」

「流石にやらないわ……」


 サマンサさんは、ブチイノシシ退治で強者の仲間入りをしたもんなあ。

 本人は、かなり不服みたいだけど。


「じゃあ、一緒に薬草採取する?」

「シロちゃんと一緒の薬草採取だったら、沢山集められそうね。一緒にやりましょう」


 こうして、僕たちは更に四人加わって薬草採取に向かいました。

 気心の知れたメンバーなのでワイワイと薬草採取は進み、終わってみるととんでもない量の薬草が採れました。

 そして、昼食はサマンサさんたちを屋敷に招待して一緒に楽しみました。

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