散歩の六百三十二話 マヤさんとセラさんを連れて王城へ
マヤさんとセラさんの商会勤務が休みの日、僕たちは王城に行くことになりました。
年始の件で、追加で話すことがあるそうです。
せっかくなので、マヤさんとセラさんも王城についてきて貰うことになりました。
「あのあの、何で私たちが王城に行くことになるんですか?」
「私なんて、庶民の中の庶民ですから」
「屋敷に泊まっていますので、念の為に報告をすることになりまして。事前に話はしてあるので、軽い挨拶で済みますよ」
セラさんとマヤさんはあわあわとしているけど、王族は感じの良い人ばっかりだから大丈夫だと思うよ。
二人には予備のドレスを着てもらって、準備完了です。
シロたちも着替えを終えているので、全員馬車に乗っていざ王城に出発です。
「「ほわあ……」」
「やっぱり、初めて王城を間近で見るとこうなりますよね」
屋敷から王城まで直ぐに着くのだが、初めて王城を近くで見た二人はぽかーんとしちゃいました。
僕たちも最初はこんな感じだったけど、もう慣れちゃいましたね。
そして、王城に着くといつもの応接室に案内されました。
「おねーちゃーん!」
「わっと、ジェフちゃんは今日も元気ね」
「うん、元気だよ!」
ジェフちゃんがソファーから立ち上がってとととって走ってきて、元気よくスーに抱きつくのもいつもの光景ですね。
応接室には王太子夫妻が控えていて、ニコリとしながら僕たちを出迎えてくれた。
「座るとよい。あいにく父上と母上は同席できないのでな、代わりに私が説明することになったのだよ」
「年末年始の件は、ほぼ決まったのよ。皆が忙しいのは、年始の方ね」
王太子殿下とアナ様が謝っていたけど、大変なのは主役の陛下とかでしょう。
ということで、早速自己紹介を始めましょう。
「ははは、初めまして! マヤと言います」
「せ、セラと言います。よ、よ、宜しくお願いいたします」
うん、なんというか、予想できたけど二人とも緊張しすぎです。
流石の王太子夫妻も苦笑いだし、アナ様の膝の上に乗っているジェフちゃんもきょとんとしています。
「公式の場ではないから、楽にしてくれ。スーの兄のマルクだ。王太子だが今は気にしなくて良い、よろしく頼む」
「妻のアナよ。スーが冒険者の師匠をしていたのは聞いていたけど、お弟子さんなんですね」
「ジェフだよー!」
「「よ、宜しくお願いいたします!」」
目の前に王太子殿下がいると知って
まあ、二人が少し落ち着くのを待つしかないのかな?
ではでは、年末年始の話をしちゃいましょう。
「フランたちを王宮前広場の警備に使う案は、三人がまだ子どもというのもあり却下された。その代わりに、スラちゃんと馬二頭で対応する」
「既に炊き出し時などで、馬は実績を上げていますからね。フランちゃんたちは、万が一に備えて騎士団長と共に詰め所にいてもらうわ」
「「「えー」」」
三人は不満を隠さないでいるけど、こればっかりは仕方ない。
その代わり、アオと馬二頭には頑張ってもらわないと。
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