散歩の六百三十一話 二人の実力は?
翌朝、僕たちはいつもの朝の訓練を行うのですが、今日からマヤさんとセラさんも混じって行います。
マヤさんは剣士タイプなので、僕と手合わせします。
そして、魔法使いタイプのセラさんはスーとアオと一緒に訓練を行います。
「「「「一緒にやろう!」」」」
「こらこら、順番だからな。先に、自分たちの基礎訓練をやりなさい」
「「「「よーし、直ぐに終わらすぞ!」」」」
シロ達も一緒に手合わせをしたくて堪らないので、そこは順番を守らせることにします。
ではでは、早速訓練開始です。
ガキン、ガキン!
「せい、やあ!」
「良い感じですよ。どんどんと打ち込んで下さい」
「はい、遠慮なく行きます!」
マヤさんが全力で木剣を打ち込んでくるので、僕も木剣で攻撃を受けつつたまに反撃をしています。
セラさんの方は、スーとアオと共に魔法制御について話してから実際の魔力制御訓練を行っています。
二人ともこの半年間真面目に訓練を続けていたらしく、手合わせをしても成長が実感できます。
「一旦休憩です。とっても強くなっていますね」
「ありがとうございます。でも、シュンさんの方が遥か先に行っている気がしました」
アイが荒い息を整えているマヤさんにタオルを渡しているけど、既に僕の隣には次の相手をしたくて堪らないシロ達が控えています。
でも、いっぺんには相手にできないので、今日はマヤさんにシロとフランが、セラさんにホルンとヴィヴィが手合わせすることにしました。
「てやー、とやー!」
「速い! やっぱり、シロちゃんはとても動きが素早い」
今度は僕と打って変わって、セラさんはシロの打撃を避けるので精一杯です。
たまに反撃を試みるけど、全てシロは避けてしまいます。
十分間の手合わせだったけど、セラさんは防戦一方で終わりました。
「えっとね、いつも沢山の魔力の玉を浮かべているんだよ」
「魔力制御が難しいです。これは大変ですね」
ホルンは魔力制御が大得意だけど、セラさんの方はホルンのレベルまで達していないようです。
こればかりは急に上手くなることはないので、日々の訓練の繰り返ししかありません。
フランとヴィヴィの番になっても、多少は変わりはあるにせよシロとホルンの時とほぼ変わりありませんでした。
初日から飛ばすこともないので、今日はこれでおしまいです。
タオルで汗を拭いてから、食堂に向かいました。
「そこそこできるかなという自信があったんですけど、脆くも崩れ去りました……」
「私もです。害獣駆除もできるようになったのですが、スーさんとアオちゃんの魔力制御は私の遥か先を行っています……」
少し疲れてしまった二人は、打ち砕かれてしまった自信を吐露しながら朝食を食べていました。
まあ僕も西の辺境伯領でエミリア様にボコボコにやられたから、二人の気持ちも良く分かります。
「屋敷に滞在している間に、お二人が少しでも強くなれるように僕たちも協力しますよ。人に教えることは、僕たちのためにもなりますし」
「ありがとうございます。少しでも強くなれるように、毎日の訓練を頑張ります」
「私もです。こんなに良い教師がいるので、良い魔法使いになるように頑張ります」
落ち込んではいたけど、やる気を失ってなくて良かった。
こうして朝食を食べた後、マヤさんとセラさんは商会の手伝いに向かい、僕たちはヴィクトリー男爵家にそれぞれ向かいました。
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