散歩の六百十二話 久々の再会
王城での報告がかなり早く終わったので、僕たちは一旦屋敷に戻って着替えてから冒険者ギルドに向かうことになりました。
でも、フランたちは相変わらず僕の部屋で着替えているので、このままだと僕の部屋にフランたちの着替えが溜まっていきそうな予感がする。
ドレスなどは洗濯をするので、控えている侍従に渡します。
シロの部屋にはアオも一緒だから、着替えなどは大丈夫でしょう。
ということで、準備が整ったのでみんなで冒険者ギルドに向かいます。
「ねえ、薬草採取と害獣駆除をやるんだっけ?」
「そうだよ。薬草もいっぱい集めて良いそうだよ」
「「「頑張るー!」」」
今日は簡単な依頼をする予定なので、夕方前には帰る予定です。
アヤが御者をしているけど、馬も場所を覚えているので勝手に進んでいきます。
いつもの冒険者ギルドの馬車置き場に馬車を置いて手続きをすると、僕たちに声をかける二つのグループがいた。
「あっ、薬草先生だ!」
「「「本当だ!」」」
「この前、シロが教えた子だ!」
一つは、シロが薬草採取の講師をした時に一緒だった孤児院の四人組です。
シロの周りに集まって、ワイワイと話をしています。
もう一つのグループに、僕とスーはビックリしちゃいました。
「おっ、シュンとスーか。久しぶりだな」
「シロは、ちっこいのに囲まれているな」
「スラちゃんもいるわね」
「「あっ!」」
なんと、南の辺境伯領で一緒の宿だった獣人三人組の姿があった。
思わぬ再会に、僕とスーはもちろんのこと、スラちゃんもかなりビックリしていた。
そして、シロも獣人たちに気がついてこちらにやってきた。
子どもたちとの話も無事に終わって、四人組も薬草採取に行ったみたいです。
「あー、前に一緒だった人だ!」
「おっ、シロの嬢ちゃんも元気みたいだな」
「シロは、いつでも元気だよ!」
犬獣人が、ニコリとしながらシロの頭を撫でていた。
シロもニコニコなのだけど、フランたちは初めて会う人にポカーンとしていました。
教えないとと思ったら、犬獣人の女性が一言。
「いつの間にか、スーも三人の子持ちになったのか」
「あの、分かっていて言っていますよね」
「おー、スーも前に比べて随分と強くなったわね。昔だったら、おどおどしていたはずなのに」
うん、女性同士楽しんで貰おう。
ということで、改めてフランたちに三人を紹介します。
「えっと、この三人は南の辺境伯領、アリサ様の冒険者ギルドで僕たちが初心者冒険者だった時に一緒に活動していたんだよ」
「「「おおー!」」」
目の前の三人が僕たちと一緒に冒険したとあって、フランたちのテンションが一気に上がりました。
ということで、三人を紹介します。
「犬獣人の男性がジジで、虎獣人男性がゴル、そして、犬獣人の女性がルンだよ」
「フランだよ!」
「ホルンです」
「ヴィヴィなの」
「うわあ、とっても可愛いね」
三人の元気な挨拶を見て、ルンが満面の笑顔を見せています。
この子達の境遇は、後ほどきちんと話しましょう。
そして、ここでヴィヴィが爆弾発言をぶち込んできた。
「ねーねー、パパ早く行こうよ!」
退屈していたヴィヴィが、いつも通りの僕の呼び名をしてきたのだ。
それを聞いた三人が、一斉に疑惑の目を僕に向けてきた。
「ぱ、パパだと!?」
「えっ、どういうことだ?」
「シュン、まさか隠し子……」
うん、フラン達の身の上話をする前に、ヴィヴィの僕の言い方を説明しないとならない。
僕は思わずガクリとしてしまい、スーもたははって感じで苦笑していました。
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