散歩の六百十一話 王城に引っ越しのご報告
今日は王城に行って引っ越しの報告をして、時間が余ったら冒険者ギルドに行って簡単な依頼を受ける予定です。
全員着替えて王城に行くのですが、またもやフランたちが僕の部屋に乱入してきた。
「「「着替えさせて!」」」
「アヤ、アイの他にも侍従がいるんだから、手伝って貰ったら?」
「「「いや!」」」
アヤとアイはスーの着替えを手伝っているけど、他にも沢山の侍従がいます。
シロは自分でドレスに着替えられるようになったけど、フランたちはまだ五歳だから無理なのかな……
そう思いながら、僕は三人の着替えをてつだいました。
髪は侍従にやってもらいます。
準備ができたところで、馬車に乗り込みます。
ちなみに、まだ注文している馬車が届いていないので、馬車工場から予備の馬車を借りています。
「無事に引っ越せて、私も一安心だわ。お風呂も、年明けには使えるそうね」
王城に着くと、応接室に案内されてアナ様とジェフちゃんが一緒に出迎えてくれました。
アナ様は屋敷の状態も把握していて、お風呂の件も知っていました。
ちなみに、ジェフちゃんはフランたちと仲良くお喋り中です。
「今度、ねーねのお家に遊びに行くよ!」
「ええ、遊びに来てね。歓迎するわ」
ジェフちゃんはフランたちから屋敷がどんなものか話を聞いたみたいだけど、子どもはともかくとして大人を迎え入れるだけの調度品が揃っていないんだよね。
シロの描いた絵とアオの彫刻は飾ってあるけど、他にも何かあった方が良いだろう。
そう思っていたら、アナ様がとある提案をしてくれた。
「王城の倉庫の中に眠っている絵画とかがあるわ。後で幾つか届けさせるわね」
「あの、アナ様、それってとんでもなく価値のあるものではないでしょうか?」
「まあ、そこそこの価値はあるわ。でも、倉庫に眠って陽の目を見ないよりかはずっと良いでしょう」
流石に国宝級のお宝は勘弁だけど、普通に飾れるものだったら大歓迎です。
派手な絵は流石に飾らないので、アナ様もその辺は分かっています。
そして、シロとアオが紙を取り出してジェフちゃんのことを描いたのだけど、絵を見たアナ様の表情が変わった。
うん、楽しそうに笑っているジェフちゃんが描かれていて、とっても良い絵ですね。
「シロちゃん、アオちゃん、きちんとした絵で楽しそうなジェフのことを描いてくれないかしら? 宮廷画家が描くと、綺麗なんだけどどこか冷たい絵になっちゃうのよ」
「シロにお任せだよ! 直ぐに描いちゃうね」
「じゃあ、私からシロちゃんとアオちゃんへの指名依頼とするわ。ふふ、やっぱり子どもは笑っていた方が良いですわね」
肖像画ってどうしても表情が硬いので、記念として飾る分には良いけどいつも見るのはうーんって事らしいです。
その分シロとアオの描く絵は生き生きとしているので、楽しそうな雰囲気が伝わってきます。
急ぎではないそうなのだけど、シロとアオはあっという間に描いちゃいそうですね。
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