散歩の五百八十三話 年末に向けての対策

「シュン達から譲って貰ったドラゴンのウロコで、魔導具の修理が完了した。近日中に魔導具を再起動させるが、もしかしたら王城と宮殿に入れない者が出てくる可能性がある。悪意のある者を拒むのは前にも話したが、多少悪い事を考える程度でたれば問題はない」

「つまり、魔導具が発動して弾かれる者は、良くない事をしている可能性が高そうですね」

「というか、間違いないだろう。その際には、シュン達にも何かしら手伝って貰う可能性が高い。日程は、追って連絡する」


 いよいよ魔導具が稼働するけど、王太子様の言う通り何かが起きる可能性は高いだろう。

 シロ達の勘が、良く働きそうだ。


「新年の挨拶が行われる会場にも、魔導具を設置する事にした。フラン達の悪を見抜く力に加えて魔導具を使えば、二重で防御をする事ができる。可能な限り、手は打てるだけ打つ」


 新年の挨拶は、僕とシロとスーは宮殿側にいる。

 できるだけフラン達に負担をかけたくないので、この提案はとてもありがたい。

 何でも王城の倉庫に呼びの魔導具が転がっていて、纏めて修理をするそうです。

 しかし、この話が出てくるとなると、そろそろ爵位授与が近くなってきそうだよ。

 そして、屋敷の件で少し情報が。


「屋敷だが、スーに下賜されるから実は年末には準備が出来上がる。年末に各地からスーが携わった冒険者が王都にくるそうだから、その前に渡したほうが良いだろう」

「お兄様、ご配慮頂き感謝します」

「なに、これくらいは何も問題はない。それに、再研修を終えた使用人をいつまでも遊ばせるつもりはないからな」


 スーは既に王族に復帰しているし、僕に屋敷が与えられる訳では無いからその辺は臨機応変にできます。

 僕達は荷物が殆どないし、スーも取り敢えず生活できる荷物を運べば良いだけです。

 後で、いくらでもヴィクトリー男爵家に荷物を取りにいけます。

 話はこれで終わりとなり、王太子様とガンドフさんは次の仕事に向かっていった。

 そして、僕とスーはとある部屋に向かいました。


「おねーちゃん、これで良いかな?」

「ええ、よく書けていますよ」

「わーい!」


 それは、ジェフちゃんに勉強を教える役目です。

 アナ様もお仕事でいないので、僕たちがジェフちゃんの勉強を見ることになりました。

 普段フランとかに勉強を教えているので、スーもとても上手にジェフちゃんに勉強を教えています。

 書き取りが終わったら、絵文字かるたで楽しく勉強をします。

 子どもは無理やり勉強をやらされるよりも、楽しく勉強した方が色々と覚えるからね。

 こうして僕達は、昼食前までジェフちゃんの勉強を見ていました。

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