散歩の五百七十四話 みんなで出産祝いを購入します
教会の帰りの足で、僕達はセーラさんの出産祝いを買うためにヴィクトリー男爵家の御用商会に向かいます。
赤ちゃんを実際に見たからか、シロ達だけでなくスーも気持ちが高揚していました。
「ねーねー、スーお姉ちゃん。どんな贈り物が良いかな?」
「そうですね。タオルやオムツなどは、いくらあっても大丈夫です。もし多くなっても、あの元侍従の赤ちゃんにプレゼントできますわ」
「「「「おおー」」」」
今回は幸いなことに元侍従の赤ちゃんがいるので、生活に必要なものだったら最悪分けてあげる事もできます。
置物とか貰ってどうするのって物をプレゼントする訳ではないし、あまり深刻に考えずに買い物をしよう。
でも、貴族の中には扱いに困るプレゼントを贈ってくる可能性もありそうだ。
「特に私が王族に復帰しましたし、伯父様は現役の騎士団長です。我が家との繋がりをアピールする為に、高価な物を贈ってくる可能性は十分にあります」
「でも、そんなものを貰ってもお礼する方も大変だよね」
「ええ、そうですね。我が家と親しい貴族家には、華美な物は避けてと伝えてあります」
きっと、面倒くさい貴族家が豪華な物を贈ってくるんだろう。
スーも、思わず溜息をついていました。
そして、大教会からあっという間にヴィクトリー男爵家の御用商会に到着しました。
僕達はさっそく商会の中に入って、店員に要件を伝えます。
「「「「赤ちゃんへの贈り物を下さい!」」」」
「はい、畏まりました。出産祝いのセットがありますので、そちらをご用意しますね」
スーの姿を見たので、店員は何となく僕たちの用件を把握していました。
直ぐに、贈答用の出産祝いを選んでくれました。
僕とスーは、オムツとタオルを用意します。
店員が品物を選んでいる間に、僕たちは応接セットのソファーに座ります。
「ご注文頂いております皆さまの服ですが、来週にはお屋敷にお届けできますので。お待たせして申し訳ございません」
「いえ、こうして既に冬服も着れておりますし問題ありません。お手数をおかけします」
「畏まりました。それでは、今しばらくお待ちくださいませ」
今回注文しているのは謁見用の服なので、特に急ぎって訳ではありません。
謁見も直近では予定されていないし、とりあえずは北の辺境伯領で作った服があります。
謁見は、早くても年末の予定ですし。
そうこうしている内に出産祝いセットができ上がったので、店員から受け取ってお金を払います。
「喜んでくれるかな?」
「「「わくわく」」」
シロ達は魔法袋に出産祝いセットを入れずに、大事そうに腕に抱えています。
屋敷に着いたら、いの一番にセーラさんに渡したいんだね。
という事で、屋敷について出迎えてくれたセーラさんにプレゼントを渡します。
「「「「出産祝いセット買ってきたよ!」」」」
「まあ、わざわざありがとうね。とても嬉しいわ」
思いがけないプレゼントに、セーラさんも思わずニッコリです。
笑顔で、シロ達の事を抱きしめていました。
セーラさんの出産まであと少し、きっと赤ちゃんが生まれたら屋敷は一層賑やかになりそうですね。
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