散歩の五百七十五話 臨時講師をする事に
今日はスーが父親である陛下に呼ばれたので、僕たちは分かれて行動します。
僕たちは冒険者ギルドに行って、簡単な依頼を受ける予定です。
「スー、本当に僕が一緒に行かなくて大丈夫?」
「大丈夫ですよ。顔見せがメインとなりますので、シュンさんはゆっくりして下さい」
ドレス姿のスーを、僕たちは玄関で見送ります。
そんなに忙しくないみたいなので、大丈夫だと思いたい。
念の為にうちの馬が馬車を引くので、何かあっても大丈夫です
スーは、アヤとアイと共に馬車に乗り込んで王城に向かいました。
「じゃあ、僕たちも冒険者ギルドに行こうか」
「「「「おー!」」」」
僕は、シロ達と共に徒歩で冒険者ギルドに向かいます。
ここのところ馬車に乗ることが多かったから、徒歩での移動は久々です。
シロ達も、仲良く手を繋いで歩いていますね。
「シュンお兄ちゃん、今日はどんな依頼を受けるの?」
「うーん、移動手段もないから町中で受けられる簡単な依頼にするよ」
「じゃあ、荷物運びする!」
シロよ、流石にフラン達では荷物運びは厳しいと思うぞ。
簡単な清掃や治療が無難だろう。
みんなでどんな依頼をするか話し合っているうちに、冒険者ギルドに到着しました。
がやがやがや。
「うわー、沢山の冒険者がいるね」
「ほら、迷子にならないように手を繋いでね」
「「「はーい」」」
早朝というのもあってか、冒険者ギルドには沢山の冒険者が集まっていた。
どんな依頼を受けようかなと思っていたら、僕を呼ぶ野太い声が聞こえてきた。
「おお、シュンか。ちょうどいいところに来たな」
受付の奥から僕に声をかけてきたのは、王都冒険者ギルドマスターのゴーキさんでした。
僕達は、受付の奥に行ってゴーキさんのところに向かいます。
ちょうどいいところに来たっていうけど、一体何の話なのだろうか?
「シュンは確かCランクだったよな?」
「あっ、はい。最近ランクアップしたばかりですけど」
「なら問題ねえ。実はこの後新人冒険者向け講習があるんだけど、担当講師が食べ過ぎで腹を壊したんだわ。誰に代打を頼もうかと思ったら、目の前にシュンが現れたって訳だ」
ゴーキさんが腕を組んでウンウンと頷いていたけど、まさかの食べ過ぎで講師がダウンするとは。
そんな事が起きるなんて、普通考えられないよなあ。
「もちろん報酬は出すぞ。嬢ちゃん達も、講師補佐だな」
「あの、講師は大丈夫なんですけど、ヴィヴィをその講習に参加させても良いですか? まだランクアップもしていませんし」
「それは問題ないだろう。ヴィヴィの嬢ちゃんはまだ一番下のランクだから、普通に講習に参加する資格を持っているぞ」
ということで、急遽新人冒険者向けの講師をする事になりました。
とはいえ、難しい事はするつもりはないし、普通にやれば良いでしょう。
それに、ブランとホルンが新人冒険者講習を受けた際に講師補佐しているし、その時に聞いた事を話そう。
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