散歩の五百六十一話 四人で力を合わせてパンケーキを作ります
パンケーキをある程度焼き終えたところで、こんどは子ども達でタネを焼いてみます。
チャレンジするのは、手先が器用なシロとまんまる焼きの達人でもあるホルンです。
「じゃあ、お玉で一杯分のタネをすくってフライパンに落としてみましょうね」
「よし、頑張るぞ!」
「いっぱい焼くぞ!」
やる気満々の二人は、それぞれ僕とアオの監視の下でタネを焼いていきます。
僕とアオがいっぱいパンケーキを焼いて見せたので、何となく感触は掴んでいるみたいです。
綺麗に丸くはならなかったけど、それでも良い感じに焼けています。
「あっ、ぽつぽつ泡が出てきたよ」
「ここでひっくり返すんだよね」
片面が良い感じに焼けてきたところで、シロとホルンはフライ返しを手にしました。
さてさて、綺麗にひっくり返せるかな?
「「よっと」」
べちゃ。
「「あー! 失敗しちゃった!」」
「このくらい大丈夫だよ。食べる分には影響ないよ」
「「ううっ……」」
あらら、残念ながらシロとホルンは少し斜めに生地が落ちちゃって上手くひっくり返す事ができませんでした。
それでも食べる分には全く問題ないので、このまま焼いていきます。
焼き上がったパンケーキは、お皿に乗せます。
ここからは、フランとヴィヴィの番です
「「ぬりぬり、ぺたぺた」」
「そうそう、良い感じだよ」
「「ぬりぬり、ぺたぺた」」
フランとヴィヴィは、でき上ったパンケーキにジャムとバタークリームを塗っていきます。
更に、カットしたイチゴを乗せて完成です。
「できたー!」
「持っていくよ!」
「慌てないで、ゆっくり運ぼうね」
「「はーい」」
フランとヴィヴィは、二人ででき上ったパンケーキが乗ったお皿を大事そうに持っています。
二人の後ろでは、シロがフォークとナイフを小さなバケットに入れて運んでいます。
更に、ホルンもお水の入ったグラスを慎重に運んでいます。
僕達が向かう先は食堂で、この人が待っていました。
「「「「できたよー!」」」」
「あら、とても良い匂いがするわね」
食堂には、ニコニコ顔のセーラさんが待っていました。
四人が作ったパンケーキを試食してくれるそうで、それで四人は頑張ってそれぞれお手伝いしていました。
さてさて、四人がドキドキのセーラさんによる試食が始まります。
カチャカチャ。
「「「「じー」」」」
ナイフでパンケーキを切っているセーラさんの事を、シロ達が物凄く注目しています。
うん、四人の気持ちは分かるけどそんなに注目するとセーラさんも食べにくいと思うよ。
ぱくり。
「うん、とっても美味しいわよ。本当に良く出来ているわ」
「「「「はああああ……」」」」
セーラさんがニコリとしながら四人が作ったパンケーキの感想を言うと、シロ達は緊張の糸が切れたのかへなへなとなっちゃいました。
僕とアオから見ても、初めてにしてはよくできたと思うけどね。
「あのね、シロが焼いたんだよ!」
「フランは飾り付けしたの!」
「ホルンは、パンケーキを焼いたよ」
「ヴィヴィはぬりぬりと混ぜ混ぜしたの!」
「まあ、それは凄いわね。みんな頑張ったわね」
そして、復活したシロ達はセーラさんに自分がどこを担当したかを熱弁していました。
まだ王城にいるスーには食べさせてあげられていないけど、四人にとってはとっても良い経験になりました。
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