散歩の五百六十二話 スーの帰宅と裁判結果
その後もパンケーキを焼いてみんなで試食し、スーの分も無事に作り終えました。
「綺麗に焼けた!」
「まんまるにできた!」
練習を重ねた結果、シロとホルンは綺麗にパンケーキを焼けるようになりました。
そこで、一番上手くできたものをスーに食べてもらう事になりました。
フランとヴィヴィも綺麗に飾り付けができたし、これで準備万端です。
ちょうどそのタイミングで、待ち人が現れました。
「皆さま、スーお嬢様がお戻りになられました」
「「「「帰ってきた!」」」」
侍従がスーの帰宅を告げると、シロ達が一目散に玄関に向かって走っていきました。
時刻は夕食前なので、やはり裁判は結構な時間がかかったみたいです。
僕とアオも、厨房の後片付けをしてから玄関に向かいました。
「スーお姉ちゃん、お帰り!」
「「「おかえりー」」」
「みんな、ただいま。遅くなってしまったわね」
シロ達は、ドレス姿のスーに抱きつきながら話をしていました。
シロ達も、パンケーキを焼きながらスーの事をずっと待っていたもんな。
「ほらほら、玄関じゃ邪魔になるから応接室にいくよ」
「「「「はーい」」」」
という事で、スーを休ませるのを含めて応接室で王城であった裁判の結果を聞く事にしました。
因みに、ガンドフさんとブレッドさんは裁判を妨害するテロを警戒して市内巡回を続けているそうです。
でも、今の所テロの予兆はないそうで、僕も一安心です。
「はあ、やっと一息つけました。休憩は取っていたのですが、ずっと緊張していました」
「それはしょうがないよ。実質傍聴するだけとはいえ、一日中裁判に参加していたのだから」
「やはり、慣れない事をすると疲れますね」
スーは紅茶とお菓子を口にして、ようやく一息ついていました。
これだけ緊張していると、昼食とかも味が分からないだろうなあ。
「面倒くさい事は直ぐに済ませましょう。裁判は事前の結果通りになりました。特に新しい情報などもありませんでした」
「となると、ブローカー侯爵家はお家断絶でブローカー伯爵家は男爵家に降格、主要な人物は死刑になったわけか」
「はい、その通りになります。アマンダさんが男爵家の代理当主になり、エバンさんとの間で生まれた子どもが家督を正式に継ぐ事になりました」
この辺は、陛下より事前に聞いている内容と一致しています。
特に波乱もなく、裁判は無事に終わったそうです。
ここからは、シロ達が日中頑張った話です。
「あのね、みんなでパンケーキを作ったんだよ!」
「スーに食べて貰いたいなあ」
「綺麗にまんまるに焼けたんだ」
「頑張ってジャムを塗ったよ!」
「あら、私に作ってくれたのね。とっても嬉しいわ」
シロ達はスーにギューッと抱きついていて、スーもシロ達を笑顔で抱き返していました。
とはいえ、出来上がったパンケーキを食べるのは夕食の後ですね。
スーも普段着に着替えないといけないので、僕達は一足先に応接室から食堂に向かいました。
因みに、シロ達が一生懸命に作ったパンケーキを、みんなで一緒に味わいながら食べました。
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